STEP3:具体的な金額の出し方を教えて!

 具体的に見てみましょう。次の表のように、給料から差し引かれる税金は、その金額や扶養親族の人数などによって決まっています。

<毎月の給与から差し引かれる税金のルール>
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 扶養親族等の数(甲)
0人 1人 2人
例:
独身・共働き
例:
夫会社員&専業主婦
例:
夫会社員・専業主婦・高校生の子1人
19万9000円以上20万1000円未満 4770円 3140円 1530円
20万1000円以上~20万3000円未満 4840円 3220円 1600円
20万3000円以上20万5000円未満 4910円 3290円 1670円
※15歳までの子どもは、税金上の扶養親族等には入りません



 また、ボーナスからも税金は天引きされます。ボーナスで天引きされる金額は、前月の社会保険料等控除後の給与等の金額や扶養親族等の人数によって、一定の割合を掛けて求めます。

<ボーナスから差し引かれる税金のルール>
前月の社会保険料等控除後の給与等の金額が約20万円の場合 扶養親族等の数(甲)
0人 1人 2人
例:
独身・共働き
例:
夫会社員&専業主婦
例:
夫会社員・専業主婦・高校生の子1人
ボーナス(社会保険料等控除後)に掛ける率 4.084% 2.042% 2.042%
【例】社会保険料を差し引いた後のボーナスが20万円の場合に差し引かれる税額 8168円 4084円 4084円

 例えば、30歳、独身(扶養親族等は0人)で、社会保険料等を除いた給料が20万円、ボーナスは、夏と冬とそれぞれ20万円を受け取る場合で考えてみましょう。

 毎月の給料とボーナスから天引きされる税金は、合計約6万8800円です。 ただし、年収や税金を含めた額面年収が約330万円とすると、この人が納める税金は、6万4800円で済みます。

 本来は6万4800円で済むはずが、6万8800円を給料天引きで納めているわけですから、4000円多く納め過ぎています。そこで、年末調整で会社が精算をして12月の給料に4000円を上乗せして社員に返還しているのです。

 このように、毎月天引きされた税金と、年収に応じて本当に納めるべき税金の調整をするのが「年末調整」の役割です。

給料から差し引かれる税金は、その金額や扶養親族の人数などによって決まります (C)PIXTA
給料から差し引かれる税金は、その金額や扶養親族の人数などによって決まります (C)PIXTA

 なお、「本当に納めるべき税金」を計算する際に必要な書類が3つあります。(1)去年の年末調整の時に提出した「平成30年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と、(2)これから提出する「平成30年分給与所得者の保険料控除申告書」と、(3)「平成30年分給与所得者の配偶者控除等申告書」です。

 次回は、この3つの書類のポイントをお伝えします。

文/前野彩 写真/PIXTA