ステップ3 無理なく買えるマンションの金額は?

 ステップ2で、無理なく返せる借入金額が分かったら、いよいよマンションの予算です。

物件価格だけを見て判断してはいけません (C) PIXTA
物件価格だけを見て判断してはいけません (C) PIXTA

 シンプルに考えると、借入金額と自己資金の合計金額が物件価格になりそうなのですが、ここにも注意ポイントがあります。

 マイホームを買うときには、住宅ローンの諸費用や「このマンションは私のものです」という登記をするための諸費用、火災保険などの費用がかかります。新築物件は仲介手数料等がかかることは少ないですが、主に中古物件では、物件価格の約3%の仲介手数料がかかります。

 そのため、一般的にかかる諸費用は、新築なら物件価格の5%、中古なら物件価格の8%で見積もり、借入金額と自己資金の合計額から、諸費用分を差し引いて予算を計算するのです。新築物件の場合は、「借入金額と自己資金の合計額」を1.05で割って予算を出します。中古物件の場合は1.08で割ります。

 借入金額1960万円の例で考えてみましょう。

 今までに頑張って貯蓄をして自己資金が500万円という場合、合計金額は2460万円です。新築なら1.05で割ると2342万円。中古物件なら1.08で割って2277万円。これが「無理なく買えるマンションの金額」になるのです。

 もし、自分の貯蓄と親からの贈与を合わせて自己資金が1000万円ある場合は、合計金額は2960万円。諸費用を省くと、無理なく買える新築マンションの金額は2819万円。中古物件なら2740万円です。

□ 主に新築マンション(仲介手数料が不要な場合)
無理なく買えるマンションの金額=(無理なく返せる借入金額+自己資金)÷1.05

□ 主に中古マンション(仲介手数料が必要な場合)
無理なく買えるマンションの金額=(無理なく返せる借入金額+自己資金)÷1.08

 この3ステップで、まずは、今の生活をそのまま続けた場合で、無理なく買える物件の予算を出してみてくださいね。

 この予算額が自分が買いたい物件価格に近ければ、ひとまず安心して物件探しができるでしょう。

 でも、「私が買いたい物件はもっと高い!」という場合は、現在の家計を見直すことが必要です。そこで次回は、買いたいマンションに向けての家計の見直し方をお伝えします。

文/前野 彩 写真/PIXTA