老後の年金はいくらになる?

 60歳まで年金保険料を納めた場合、65歳から受け取る老後の年金の目安は、次の【A】【B】【C】 3つを合計して算出します。

<65歳から受け取る老齢年金(年額)の目安額
= 【A】+【B】+【C】>


【A】ねんきん定期便の「これまでの加入実績に応じた年金額の合計」
(<図表2 ねんきん定期便の赤枠部分の拡大図>の(A))

【B】老齢基礎年金の将来増加額の目安
「約2万円×(60歳-今の年齢)」

【C】老齢厚生年金の将来増加額の目安
「現年齢から退職するまでの平均年収×0.005481×(退職年齢-今の年齢)」


 この3つの合計額が、「想像通りに働いた場合に受け取れる老後の年金額の目安」です。

 今回例として挙げた「30歳、年収400万円」の人が60歳まで働き続けると仮定して将来どれだけ年金が増えるかを計算すると、

【B】老齢基礎年金の将来増加額の目安
約2万円×(60歳-30歳)= 約60万円
■このざっくり計算式の解説は⇒将来の老齢基礎年金がどれだけ増えるか目安を知る方法

【C】老齢厚生年金の将来増加額の目安
(条件:60歳まで働き、60歳まで年収400万円が続くとした場合)
400万円×0.005481×(60歳-30歳) = 約66万円(65万7720円)
■このざっくり計算式の解説は⇒将来の老齢厚生年金がどれだけ増えるか目安を知る方法
■詳しい計算式については⇒日本年金機構で確認(記事末リンク参照)

 つまり、【A】ねんきん定期便の「これまでの加入実績に応じた年金額の合計」(ねんきん定期便に載っている額) + 【B】約60万円 + 【C】約66万円 の合計額が、「30歳、年収400万円」の人が60歳まで働いた場合、65歳から受け取れる年金(年額)の目安になるのです。

 計算式を見れば分かるように、年収が増えたり、納める期間が長くなればなるほど、受け取る年金額も増えます。このざっくり計算式で出した目安金額を基に、老後の生活を想像して足りるのか、足りないのか、そして、足りないのであればその準備をどのように行うのか、ということを考えていきましょう。まずは、手元にある「ねんきん定期便」を参考に、自分の年金がどうなるのか、「知る」ことから始めてみてくださいね。

文/前野 彩 写真/PIXTA


◆変更履歴:本文を一部修正しました。(2017年10月5日)