平均額を意識し過ぎると支出が増える

 「住居費は給料の○%まで」、「20代後半女性の食費平均は○円」など、一般論や平均論をひたすら追い求めたり、「ほかの人はどうなんでしょうか」と、他人の動向を気にしたりしていませんか?

 一見すると、平均額などを分析していてお金に対する意識が高いように見えます。でも、一つ一つの項目は多額でないのに、全体的に支出が膨らんでしまう人が多いのが、このタイプなんです。

 その理由は、周りの目を気にし過ぎて、自分が本当にかけたい支出があいまいだから。

 「趣味のお金も使いたいし、やっぱり便利な場所に住みたい。友達との付き合いも大切にしたいし、女性は男性と違って化粧品や洋服だって必要。ネイルだってみんなやっているし……」と、メリハリなしの欲求を満たそうとすると、いくらお金があっても足りず、貯金は増えていきません。

お金の使い方にもメリハリは必要です (C)PIXTA
お金の使い方にもメリハリは必要です (C)PIXTA

 例えば、「ほかの人が何と言おうと、平均よりも高かろうと、私は絶対にこの趣味はやめたくない! この趣味を続けるためなら、高価な家具や洋服も必要ない!」と思える人は、趣味費がほかの人に比べて明らかに高くても、メリハリ支出のルールができているので、目的に沿った貯蓄ができるのです。

 確かに平均データが気になるという気持ちはわかります。でも、平均点でほめてくれるのは学校のテストで終わりです。お金の使い方や貯め方が平均値に収まっていたとしても、誰もほめてくれません。

 この機会に、「自分が本当にかけたい支出は何か」を考えて優先順位をはっきりさせてみましょう。そうすれば、生活満足度は高いまま、自然と貯められるようになると思います。

文/前野彩 写真/PIXTA

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