補償が重複したらどうするの?

 海外旅行保険付きのクレジットカードを何枚も持っているときや、クレジットカードに追加して一般の海外旅行保険に別途加入したときに起こるのが、補償の重複です。補償が重なっている場合は、補償の内容と海外旅行保険によって、いざというときの保険金の支払われ方が変わります。

<海外でけがや事故で死亡あるいは障害が残った場合(傷害死亡保険金・後遺障害保険金)>

・海外旅行保険がついた「クレジットカード」を複数持っている場合は、その中から最も高い金額を受け取ります。

・「クレジットカード」についた海外旅行保険と、「一般の海外旅行保険」に加入している場合は、クレジットカードと一般海外旅行保険、両方から保険金を受け取ることができます。
<治療費用や人のモノを壊したときなど>

・クレジットカード、一般の海外旅行保険の区別なく、加入している補償金額の合計額の中から、実際にかかった費用や損害額に対する補償を受けることができます。
 

クレジットカードを何枚も持っていて、複数の補償があるときは忘れずに請求しましょう。

もしもスーツケースが壊れたら……

 スーツケースはあなたが思っているよりも過酷な状況にさらされています。

 楽しい旅行から帰ってきて、スーツケースを開いたとき「スーツケースが壊れていた!」と気づいても、それからの手続きは意外と大変です。

もしも、空港でスーツケースが壊れたら……(C)PIXTA
もしも、空港でスーツケースが壊れたら……(C)PIXTA

 私自身、海外旅行の帰りの飛行機で重量オーバーした知人の荷物を私のスーツケースに入れて日本に戻ってきたことがあります。空港で別れるために、カウンターから自分のスーツケースを選び出し、即座に知人のお土産を渡そうとファスナーを開けたところ、スーツケースは見事に真っ二つ! なんと、ファスナーが壊れて全開状態になったのです。あまりのできごとに笑い出す私をよそに、損害保険を取り扱う知人の動きは迅速でした。すぐに係員を呼びに行き、航空会社のカウンターに行き、即、空港内でスーツケースが破損したという証明書を作成してもらったのです。

 私は、加入していた海外旅行傷害保険の「携行品損害補償特約」を使って保険金を請求しました。添乗員をしている知人に聞くと、家に帰ってから壊れていることに気付くトラブルはよくあるそうです。ただ、後々になって証明するには時間も労力もかかってしまいます。

 荷物を受け取ったときには、空港内でスーツケースをチェックすることを意識してもいいかもしれませんね。

 もうすぐ夏季休暇の方も多いはず。海外旅行の際には、ちゃんと海外旅行保険に入って、楽しんできてくださいね。

文/前野彩 写真/PIXTA

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