次に確認するのは「残したいもの・捨ててほしいもの」
もし、親が亡くなった場合、誰に、どんなものを受け継いでほしいのかを確認しましょう。
いわゆる形見分けですが、メモでもいいので、親自身の手書きで書いてもらう方法がベストです。
「お母さんがこう言っていた」という子どもからの主張だけでは、受け継ぐものや量、そして、子ども自身の思い入れによっては、子ども同士でトラブルになることも考えられます。
そこで、「親自身がこんなふうに考えて残してくれた」ということが分かるように、親に書いてもらうように話をしましょう。手書きが大変な場合は、携帯電話のメモ機能などを使って書いてもらっておき、もしものときに携帯電話を開けるように、携帯電話の暗証番号など認証コードを子どもたちに伝えておいてもらうのもよいですね。
そして、大事なことは「捨ててほしいもの」も聞いておくことです。
何十年もの人生を生きてきた親の家には、たくさんのものがあるはずです。その中には、日記など「中を見ずに捨ててほしいもの」などもあるかもしれません。「そのまま捨てるもの」をまとめておいてもらうのも、体力がある時期にやってもらうようにしましょう。
余談ですが、意外と実家は、家を出た子どもの荷物も多いもの。あなたもうっかり置いたままにしていませんか? 今の生活には不要なのでとりあえず実家に置いておく……ということをしておくと、もしものときに自分の荷物の整理も一気にしなければならなくなり、そのツケはやがて自分に返ってきます。
実家に帰る機会に、自分の荷物も早めに整理するようにしましょう。
次回は、親の健康とお金について話すべきことをお伝えします。
文/前野 彩 写真/PIXTA