給付金はいくらもらえる?
では、給付の金額について見ていきましょう
基本手当の金額は、退職前に受け取っていた給料等によって決まります。その金額は、退職した日の直前の6カ月間に受け取った給料等(ボーナスは除く)の合計を180で割った金額の、約50~80%(60歳~64歳は45~80%)であり、これが「基本手当日額」です。
なお、どんなに給料等が高い人であっても、年齢別に上限が決まっています。1日当たりの基本手当日額の上限は、30歳未満で6710円、30歳以上45歳未満で7455円、45歳以上60歳未満で8205円、そして60歳以上65歳未満で7042円となります。
30歳未満 | 6710円 |
30歳以上45歳未満 | 7455円 |
45歳以上60歳未満 | 8205円 |
60歳以上65歳未満 | 7042円 |
基本手当は、原則4週間分をまとめて振り込まれます。厚生労働省の資料によると、平均して月額20万円程度の給料を受け取っていた場合は、月額約13万5000円が1カ月間の基本手当の目安になるようです。
退職後、いつから、何日間もらえる?
基本手当の受給期間は、原則として、退職日の翌日から1年間です。そして、実際に基本手当を受け取る日数は、自ら望んだ退職か、それとも倒産や解雇のようにやむを得ない退職(特定受給資格者・特定理由離職者)かによって違い、受け取り開始時期も違います。
自己都合で退職した場合の最大給付日数は、被保険者であった期間が1年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となります。
なお、倒産や解雇などの特定受給資格者や特定理由離職者は、自主的な退職とは異なり、再就職の準備をすることができていません。そこで、3カ月の給付制限期間はなく、基本手当を受け取れますし、失業が続いた場合の最大給付日数は、年齢や雇用保険に加入していた期間によって自己都合等よりも長めに設定されています。ここに、前ページでお伝えした、残業時間が多い場合や結婚転居で通勤が困難になった場合が当てはまるのです。
今回、説明したように、「自己都合による退職」か「解雇や倒産」または特定理由による退職かで、給付金額や給付日数は異なります。給付金は、仕事探しをする期間、大切な経済的支えになります。自分の条件をしっかりとチェックした上で、納得できる転職活動を進めましょう。
文/前野彩 写真/PIXTA