円高・円安でお金が増えたり、減ったり

 たとえば、1ドル100円の為替レートのときに、10万円をドルに交換すると、10万円÷100円=1000ドルです。その1000ドルを1ドル125円の円安ドル高になったときに円に交換すると、1000ドル×125円=12万5000円です。つまり、2万5000円の利益になります。

 過去最高の円高となった2011年11月の為替レートは、75円78銭。歴史や投資に「もしも」はありませんが、もしもこのときに10万円をドルに交換していて、昨年の1ドル約125円のときに円に交換したとすると、約16万5000円です! 円高のときにドルに交換して、円安になったときに円に戻すだけで、なんと6万円の利益が得られたんですね。

 このように、為替のタイミングをうまく使えば利益を出すことができますが、この反対もありえます。

 1ドル125円のときに10万円をドルに交換して、1ドル75円のときにどうしてもお金が必要で円に戻したとすると、手元には6万円しか残りません。4万円の損ですね……。

 外貨で運用する商品には、外貨建てMMFや外貨預金、外国の債券、外貨建て保険などがあります。為替の動きを予測することは難しいので、外貨で運用をする場合は、毎月コツコツ積み立てる方法で行うとよいでしょう。

賢く生きるには「円」の価値で考えよう

 そのほか、円高でオトクなことの中には、長期間円高が続いたときの「円高還元セール」があります。ワインやチーズ、輸入家具などの海外から輸入した商品が安くなる傾向があるのです。

 ただし、円高になると、輸出企業の利益が減少したり、日本への海外旅行者が減ったりするなどのデメリットもあります。それによって私たちのボーナスや新入社員の採用人数が減るなどの影響も考えられます。旅行から生活まで、意外と身近な為替ですから、この機会に、円高・円安は、円の「価値」で考えることを押さえておきましょう。

 次回は、海外に行くときの海外旅行傷害保険についてお伝えしますので、楽しみにしていてくださいね。

文/前野彩 写真/PIXTA

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