夏の休暇を前に、海外旅行の計画をしている人もいるでしょう。

 私のところにも、海外旅行計画を立てているご相談者の方がいらっしゃいます。お話をしていると、「普段は分かったふりして聞いているけれど……実は、円高・円安っていう意味がよく分からないんです。でも、いまさら聞けなくて……」という人がたくさんいらっしゃいます。

(c)PIXTA
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 イギリスのEU離脱もあり、為替が動いています。今回は、夏の海外旅行シーズンを前に、円高・円安のポイントをお伝えしましょう。

 ポイントは一つだけ。「金額ではなく、価値で考える」ということです。

 例えば、あなたがこの夏、アメリカに海外旅行に行くと想像してください。日本円はアメリカでは使えませんから、日本円をドルに交換する必要があります。その交換の際に、あなたが1ドルをもらうために日本円で支払う円の金額が為替レートです。

 為替レートは、その国の経済力によっても変わりますし、国そのものの実力に変化がなくても、他の国に比べたときの魅力によっても変わります。また円をドルに換えることを、金融の世界では「円を売ってドルを買う」と表現します。逆にドルを円に換えることを、「ドルを売って円を買う」と表現します。交換する場所には「TTS」(Telegraphic Transfer Selling Rateの略で、円を外貨に交換するときのレート)や「TTB」(Telegraphic Transfer Buying Rateの略で、外貨を円に交換するときのレート)という表示がされていて、この金額で交換します。

 2016年7月6日現在の為替レート(TTS)は1ドル約100円です。ということは、約100円を支払ったら1ドルが手に入るわけですね。

 ちなみに、1年前の為替レートはいくらぐらいだったかというと……1ドル約125円です。つまり、昨年あなたが海外旅行に行ったとしたら、1ドルを手に入れるために125円を払わなければならなかったのです。

 さて、ここで問題です。