その条件で払い続けられるのか吟味が必要

 でも……今年結婚するパートナーの転勤で、仕事を辞めざるを得なくなり、現在は収入ゼロ。そんな中、毎月1万5000円の保険料を独身時代の貯金から払うことが苦しくて、相談にいらっしゃいました。

 このように、今は余裕があったとしても、女性は退職や転職、産前産後や育休などの収入の減少時期があるかもしれませんし、出産後に仕事に復帰しても、時短勤務などで収入が減少期が数年続くこともあります。また、長い人生の途中には、結婚やマイホームの頭金などのまとまったお金を必要とする時期があるかもしれません。「貯蓄にもなる」という期待感に加えて、現実的に長期間保険料を払い続けることができるかどうかを考えることが必要なのです。

保険を解約 損した12万円は高い授業料

 先ほどの奈緒さんは、ご相談を受ける中で、死亡保険の必要性が低いことと、これから子どもや住宅などでお金を使うタイミングが多いことに気がつきました。1000万円の保険金を100万円に減額するという方法もあったのですが、「元本割れで損をした12万円のお金は、自分が保険について勉強するための授業料だったと思うことにします」と、解約されました。晴れ晴れとした表情の奈緒さんに救われた思いの私でしたが、このような“授業料”は払わないほうが良いことには違いありませんよね。

 掛け捨ての定期保険はもったいないから、将来の貯金にもなる終身保険を……と思う気持ちも分かりますが、あくまでも保険は保険です。使いたいときに自由に解約したり、引き出せる預貯金とは異なることを知っておいてくださいね。

 次回は、上記表の最後にある、もしも保険会社が破たんしたら?ということについてお伝えします。

文/前野彩 写真/PIXTA

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