国に納める所得税と自治体に納める住民税
なお、税金には、国に納める所得税と、地方自治体に納める住民税があります。
所得税は、1月1日~12月31日までの収入(所得)によって決まります。会社員の場合は、会社が1年間に納めるべき税金を年末調整で計算してくれるので、源泉徴収票を見ると、自分がいくらの税金を納めたのかが分かります。
住民税は、1年遅れで6月を区切りとして納めます。例えば、平成29年5月に納めている住民税は、おととしの平成27年1月1日~12月31日をモトに計算した住民税を分割で納めています。平成29年6月以降に納める税金は、昨年の平成28年1月1日~12月31日をモトに計算した住民税を分割で納めるルールになっているのです。
年収350万円の人の場合は、課税所得に対する10%の住民税と、均等割などを合計して、14万5600円の住民税を納めます。
今回は、税金が決まる仕組みとともに、年収による納税額の違いを見ていただきました。
収入が高くなるほど、納税額が増えていますが、実際は、年収だけでは納税額は決まりません。扶養家族の人数によっても税金は変わりますし、その他にも、早くからコツコツと老後の準備をしたり、もしもの場合に備えて保険に入ったりする人もいますから、個人の事情によって使える「控除」を他にも用意しています。
そこで、次回からは、税金を計算する際の「控除」を使うことで、年収別にどれぐらい税金が安くなるのか、また、同時にいろんな税金を安くする事情がある場合は、どこまで税金が安くなるのか、ということについて検証していきます。年収別の税金の違いを確認してくださいね。
文/前野彩 監修/税理士・備順子 写真/PIXTA
1■会社員なら誰もが使える控除3つ 税金はどう決まる?
2■350万~550万円年収別 控除で安くなる税金額1【市販薬購入費用&医療保険料】
3■350万~550万円年収別 控除で安くなる税金額2【iDeCo(個人型確定拠出年金)、ふるさと納税、住宅ローン】
4■350万~550万円年収別 控除で安くなる税金額3【控除を複数使った場合】
5■住宅ローン控除+iDeCo加入で税金が安くなる理由
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