利息はいくらもらえるの?

 例えば、退職金500万円を定期預金と投資信託に50%、250万円ずつ運用するとしましょう。

 B銀行の定期預金金利は、3カ月7%ですが、利息を受け取る際には、20.315%の税金が天引きされるため、実際に振り込まれる利息は、3万4862円です。

 250万円を定期預金に3カ月預けても、7%にあたる17万5000円が受け取れるわけではないので注意してくださいね(詳しい計算は、前回の記事「誰も教えてくれなかった、暗黙の『金利ルール』」をご覧ください)。

 3カ月間の定期預金とはいえ、この利息が手元に残るのなら投資信託とセットの定期預金もメリットがありますが、落とし穴になるのが、「投資信託とのセット」という点です。

投資信託の手数料って?

 投資信託とは、運用のプロが私たちのお金を株式や債券で運用する商品です。ここでは、手数料の面から退職金キャンペーンを考えていきます。

 投資信託に、大きく3つの場面で手数料がかかります。

 一つ目は、投資信託を買うときの購入手数料です。この購入手数料が窓口となる金融機関の収益になる部分であり、購入する投資信託や金融機関によって、手数料無料のものから4%近くかかる商品まであります。

 次は、投資信託を運用している間、必ずかかる信託報酬です。投資信託は運用をプロに任せるわけですから、その運用を行うプロや管理をする金融機関などに支払う報酬にあたります。信託報酬も購入手数料と同じく、投資信託によっていくらかかるのかは変わります。

 最後が信託財産留保額です。簡単に言うと、投資信託を解約するときに支払う解約手数料のようなものです。投資信託の売却時に必要になるものと、不要のものがあります。

 この3つの手数料のうち、退職金キャンペーンで特に注意したいのが、購入手数料です。

投資信託を買ったときの手数料は?

 もしもあなたがB銀行の退職金キャンペーンを利用するとしたら、250万円分の投資信託を買うことになります。その際にかかる購入手数料が3.78%(税込)ならば、9万4500円の手数料を支払うわけです。そしてこの9万4500円は、純粋に投資信託を発売しているB銀行の利益になるのでしたよね。

 金融機関も株式会社ですから、企業が利益を追求することは当たり前ですし、実際に商品を販売するときには、説明をする労力も時間もかかりますから、購入手数料がかかること自体は悪いことではありません。

 でも、「高金利の定期預金と投資信託」で、定期預金の金利に引かれて強制的に投資信託を買う場合は、本当にオトクなのか、疑問が残るのです。そのからくりを見てみましょう。