対象となるスキルアップは?

 対象となる講座は、1年以上3年以内と長期の勉強が必要となる専門性の高い資格です。

<資格の例>

 准看護師、看護師、助産師、保健師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、歯科技工士、調理師、栄養士、介護福祉士、社会福祉士、保育士など

 先ほど、訓練期間が長い例として看護師を取り上げましたが、訓練期間が3カ月の経理簿記やキャリアカウンセラーなどもあります。自分に必要なスキルアップから調べてみてくださいね。

学校に通っている間の生活費は?

 退職して、次の仕事を探しながら、長期間の専門実践教育訓練を受けることも考えられます。そんなときは、退職後、ハローワークでいわゆる「失業保険」(雇用保険の基本手当)の手続きをして、訓練を受けながら求職活動をしても仕事が見つからず、失業保険の給付も終わってしまった場合は、専門実践教育訓練給付金とは別に、「教育訓練『支援』給付金」制度が用意されています。「教育訓練『支援』給付金」は、訓練修了まで失業保険の日額80%を給付してくれるのです。

お金の制度をフル活用しましょう (C)PIXTA
お金の制度をフル活用しましょう (C)PIXTA

 主な条件を下記に書きましたが、詳細な条件は別途ありますので、受講前は必ず、ハローワークで確認して、必要な場合は早めに手続きをして、訓練中の収入不安に備えましょう。

◆離職してから1年以内に専門実践教育訓練を開始して、給付金の受給資格があり、修了見込みがあること

◆専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること

◆専門実践教育訓練が日中であること(通信制や夜間制は対象外)

◆「教育訓練支援給付金」を受けたことがなく、過去に、教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年10月1日以前は除く)

 ハローワークは、「失業した人だけが行く所」と思っている人が少なくありませんが、ハローワークは「雇用保険」と関連が深く、雇用を重視した社会保障です。これからの働き方や生き方を考えて、資格取得が未来のきっかけになるのなら、ハローワークに問い合わせてみてくださいね。

文/前野彩 写真/PIXTA