前回は、妊娠が分かってから出産までのお金の知恵についてお伝えしました。今回は、出産から産休・育休の間のお金の知恵についてお伝えします。

第1回 妊娠前から知っておいて 出産までのお金の基礎知識
第2回 産休・育休で知っておきたいお金の知恵編【今回はここ】
第3回 時短復帰で知っておきたいお金の知恵編
第4回 退職で知っておきたいお金の知恵編

出産のために仕事を休んだときの収入は?

 出産ギリギリまで仕事をする方もいらっしゃいますが、出産予定日の少し前から産休に入られる方が多いようです。

出産で払うお金ともらえるお金、知ってる? (C) PIXTA
出産で払うお金ともらえるお金、知ってる? (C) PIXTA

 ここで登場するのが「出産手当金」です。勤務先の健康保険に加入している会社員などが出産のために会社を休み、その間に給料が出ない場合は、健康保険から「出産手当金」として、出産予定日以前6週間(双子など多胎妊娠の場合は14週間)、そして、出産後は翌日から8週間で受け取ることができます。

 ただし、出産予定日はあっても、赤ちゃんが予定通りに生まれてきてくれるかどうか、分かりませんよね。そこで、遅くなった日数分も出産手当金が支給されるように、予定日よりも遅れても安心して出産できるような制度として整えられています。

出産手当金はいくらもらえるの?

 出産手当金の金額は、1日当たりで計算されます。その額は、給料1日あたりの3分の2です(正確には、支給開始前12カ月間の各標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2)。ざっくり、1カ月会社を休んだら、その3分の2の出産手当金が出ると思ってください。

 なお、出産手当金は給料ではないので、いつもは天引きされている厚生年金保険料と健康保険料は差し引かれません。これだけ聞いて、「ラッキー!」と思いませんでしたか(笑)?

 実は、厚生年金保険料を納めない……ということは、通常はその期間の分だけ老後に受け取る年金が減ってしまいます。そこで、出産で仕事を休む女性が不利にならないように、産休と育休の間は、厚生年金保険料を納めなくても、老後の年金が減ることがないようにしているのです。これなら、本当に安心ですね。