思い描いていたビジョンと180度異なる世界に踏み出した

 中学生で保育士を志し、20歳で就職、24歳で結婚と起業。今年で30歳になりました。保育士は長年の夢でしたが、会社を立ち上げるまでは結婚したら子育てに専念するだろうなと自然と思っていました。周囲の友達が早く結婚したことや、保育を通していろんな家族のかたちを見ていたので、“子育て”のイメージが強かったのかもしれません。思い描いていたビジョンとは180度異なる世界に踏み出しましたが、結果的に人生と仕事のパートナーと出会うことができ、感謝しています。

息子さんの写真をiPhoneの待ち受け画面に。「2歳になり、だんだんしゃべるようになってきてさらに面白いんです」(雨宮さん)
息子さんの写真をiPhoneの待ち受け画面に。「2歳になり、だんだんしゃべるようになってきてさらに面白いんです」(雨宮さん)
「出かけるときにピアスをつけるのが、家との切り替えになっていて。つけると仕事モードのスイッチが入ります」(雨宮さん)
「出かけるときにピアスをつけるのが、家との切り替えになっていて。つけると仕事モードのスイッチが入ります」(雨宮さん)

 「ほいくる」は今年で6周年になります。立ち上げ当初はガラケー対応のサイトだったので、当時からは考えられないくらい変化しています。そんな変化を見守りながら、ずっと応援してくれている友人にも励まされています。この2年で会社のスタッフは2人から9人にふえ、責任感もさらに増してきました。

 保育士だったときも、起業した今も「仕事のやりがい」や「満足度」は変わりません。私のスタイルは「まず動く」。行動しながら大切なものが見えてくると思っていますし、起業してからの6年間は行動しながら学ぶ毎日でした。

 20代は背伸びをして飛び込んだ“起業”という世界で勉強した年代。30代は自分自身がもっと成長し、仕事の幅を広げていきたいですね。20代でつくった「ほいくる」というプラットフォームを通じて、さらに子どもの可能性や保育の重要性について社会へ発信していきたいと思っています。

文/三浦香代子 写真/稲垣純也

雨宮みなみ(あめみや・みなみ)

1986年生まれ。キッズカラー 代表取締役CEO。中学3年の夏休みの職業体験をきっかけに保育士を目指す。約6年間、複数の保育園で働いたのち、起業。公私ともにパートナーである男性と2010年に入籍・キッズカラーを立ち上げた。保育や子育てにつながる遊びの情報サイト「ほいくるweb」は、6割以上の保育士が利用している。

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