担当するはずだった番組を病室で聴いていた

 休職して入院している間、ラジオを聴いていました。最初は自分が担当していた番組はさすがにつらくて聞けなかったですが……。そのときに思ったんです。「どうしていま私はここ(病院)にいるんだろう。なぜあちら側(制作の現場)にいないんだろう」と。若いうちからいろいろな番組を経験させてもらっていましたが、私の中ではまだ道半ばでした。何も始まっていない。番組を任されて、ようやくスタートラインに立てた、という時期。そんなときに現場を退いたことがすごく悔しくて。そのとき、自分がいかにラジオを、そして制作の現場を好きだったのか、改めて気づいたんですね。

 もうひとつ、体調を崩してわかったことがあります。「健康な体で仕事ができるだけでありがたい」ということです。そう気付いたことで、「とりあえず仕事をしよう」と気持ちを切り換えることができました。そこから先は、どうしたら番組制作の仕事に戻れるか、そればかり考えていました。もはや執念です。もちろん、すぐに元通りの働き方ができたわけではありませんが、徐々に仕事を増やしていき、周囲にも「制作現場に戻りたい」という希望が伝わって、無事復帰することができました。

仕事を続けるためにも、「オフ」の時間をつくるように

 復帰してからは、以前のように予定を埋め込みすぎないように気をつけています。たとえば、週に1日、何もしない日を作ることを義務化しました。それから、何があっても毎日6時間の睡眠をとります。自分のスイッチをオフにするために不可欠なのが、アイドルのDVDです。ハロプロを中心に好きなグループがいくつかあるのですが、休職中、何も見る気がしない、ラジオも聴けないという時期に、唯一観ることができたのが彼女たちの映像だったんです

 忙しいときはずっとオンの状態が続いて、家でもひたすら仕事のことを考えてしまうので、強制的にスイッチをオフにするためにDVDを流します。観ている間は無心になります。休職中も復帰した今も、彼女たちが心の支えになっていますね。

お気に入りのアイドルのDVD
お気に入りのアイドルのDVD