上司は答えを教えてくれる人ではない

 今、若い人たちを見ていて感じるのは、「上司が答えを持っている」と思いすぎているということ。彼らに意志をもって仕事をしてもらうために、どんなことを考え、どういう意見を持っているのか、選択肢を与えながらできるだけ聞くようにしています。最初は答えられない子も多いけれど、その場合は「考えてからもう一回おいで」と宿題にして持ち帰ってもらう。いろんなシーンを想定し、あらゆる方法をたくさん考えることが、物事を進めていく力になりますから。

私自身が自分を評価できることが一番大切

 私が生きていく上で、一番大切にしている基準が「自己評価」なんです。LINEを成功に導いたことで、ウーマン・オブ・ザ・イヤーなどの賞をいただき、2016年には最年少で執行役員に選出されました。でも、周りからどれだけ「すごいね」と褒められても、自己評価が低い時はまったく自信が持てないし、ハッピーじゃない。他人の評価よりも、“納得できる自分かどうか”が大事です。私自身を好きだと思えることが、一番幸せだし、楽しい。B型だからかも(笑)。

 どんな時に、自己評価が高まるのか。それは、「信頼ポイント」が上がっている時ですね。

 執行役員になった時、一番うれしかったのは、役職が上がったことよりも、「あゆみさん、やっとなったね!」と、みんなに言ってもらえたこと。「この人が認められて欲しい」と周りに思われていたということは、それだけ信頼ポイントが積みあがっていたんだなとうれしく思いました。