2011年にリリースされた「LINE」は、全世界に2億1,800万人(2016年3月末)の月間利用者をもつ大ヒットソーシャルアプリ。そんな「LINE」の開発を率いたのが、当時まだ20代だった稲垣あゆみさんです。今年、LINE最年少執行役員に抜擢された稲垣さんに、執行役員になるまでの道のりと「いい仕事」をする上で必要なことを聞きました。

学生時代にインターン9社で“お試し同棲”

 2010年にネイバージャパン(後のNHN Japan、現LINE)に入るまで、学生インターンを含め、国内外で9社のネットベンチャーを経験しました。同じ大学の人たちはみんな名だたる大企業に就職していったので、「なぜそんなところに?」と不思議がられることもありましたが、若いうちからたくさんチャンスを与えてくれる場所に行きたかったんです。年功序列で実力主義とは言い難い会社に入り、一生そこで働くという選択肢は、最初からありませんでした。若い人が活躍できる場所はどこだろう? そう考えた先にあったのがネットベンチャーだったんです。

楽天で組織の動きを肌で感じ「ワクワクした」

 そもそもベンチャーに興味を持ったのは、高校時代でした。当時はネットベンチャーがブームになり始めていた頃。若い世代がバンバン活躍して社会にインパクトを与える。そんなドキュメンタリー番組を観て、胸が躍りました。

 最初にインターンを経験したのは、大学1年の夏休みです。小規模なベンチャーを志望していたのですが、「一度、組織というものを見ておくといいよ」と、高校時代からインターンの相談をしていたNPOの人たちに薦められ、楽天に入りました。ちょうど同社が急成長を遂げていた時期です。どんどん人が増え、組織が大きくなって勢いを増していく様子が肌で感じられ、ワクワクしたことを覚えています。