すべて「WANT TO」だから辛くない

 24製品を開発したときの2カ月間は、さすがに忙しかったですね。1週間のうちに2回中国へ行くこともありました。予想外の事態に陥り、急な渡航も珍しくありませんでした。その頃からいつもカバンに入れるようになったのが、パスポート、変換プラグ、グミの3つです。国境を越えられて、電源が取れて、お腹も満たされれば、とりあえずは大丈夫。どこでも生きていける、私の最低限の装備です。グミは、中国でも、日本でも、アメリカでも、どこでも買えるものだというのがポイントです。

 会社の立ち上げの時はほとんど家に帰らず、オフィスのイスで仮眠するのが当たり前でした。もちろん大変だと感じることはありましたが、辛いとか、無理だとか思うことはありませんでしたね。仕事は「HAVE TO」ではなく、「WANT TO」。私が望んでしていることだからです。それに、友だちと飲みに行ったり、ネイルの時間を取ったりもしているので、プライベートを犠牲にしているとも思っていません。私にとっては、仕事も、飲み会も、ネイルも、すべて「WANT TO」。だから、すべてに全力を尽くしたいんですよね。

文/藪内久美子 写真/品田裕美

中澤優子(なかざわ・ゆうこ)

株式会社UPQ CEO代表取締役。携帯電話好きが高じて学生時代は携帯電話ショップでアルバイトをしていた。その経験を生かし、文系ながらカシオ計算機で携帯電話の商品企画に携わる。同社の携帯電話事業撤退に伴い退職し、カフェをオープン。その後UPQを立ち上げ、わずか2カ月で17種類24商品を開発、販売開始した。

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