好きな仕事なので、苦になることはない

 周囲にはフットワークが軽くて何でもやってしまう人が多く、私もなるべく自分の手を動かそう、と意識していましたね。

 例えば、試験に使う装置の操作方法を教えてもらって、自分で一度触ってみたり。そうすると、ただ見ているだけでは分からなかった点まで理解が深まり、先回りして考えることに役立ちました。プロジェクトをスムーズに進行するためには、起こったことにどう対処するかも大事ですが、事前に予測できることには手を打っておくのが重要なので。

 そうはいっても、スケジュールが出来上がってから「この試験もやりたい」と後出しで言われることもありますし、作業が遅れている人に催促しなければいけなかったり、どうしても間に合わないものは全体の日程を組み直すなど、臨機応変に動かなければいけません。

 ただ、私はあまりストレスがたまらないタイプなのか、一晩寝るとだいたい解消しているんです。翌日まで引きずるようなことはないですね。何より、好きな宇宙に関わる仕事なので、苦になることはほとんどなかったです

「あらせ」の模型を手に、衛星開発の面白さを語っていただきました
「あらせ」の模型を手に、衛星開発の面白さを語っていただきました

 寝るのがストレス解消と言いつつ、平日の睡眠時間はだいたい5時間くらい。その分、休日はお昼過ぎまで寝てしまうことも多いです。睡眠のために工夫していることは特になくて、むしろ「眠れない」ということがないので、いつでもどこでも、寝ようと思えば寝られます。夜勤中にどうしても眠くなって、職場の椅子を並べて仮眠したこともありました。