自分の事業のために新卒でリクルートに入社

 私の家族は昔から仲がよくて、いつも私の選択を応援してくれます。私にとって「家族」はかけがえのないものなんです。同様に、将来の家族になるかもしれない「恋人」も私にとっては大きな存在でした。なので、自分のことだけじゃなくて、友達の「恋バナ」も大好き。そのあたりに関わることがやりたいなと考えていたときに、同僚が友人カップルを喜ばせようと写真を撮影してあげているのを見て、これだと思ったんです。

 私が構築したウェブサイトに15組くらいのカップルの写真を公開し、ラブグラフはスタートしました。初めは「写真を撮ってもらいたい人がいたらここからお問い合わせください」という感じで緩く運営していたのですが、1カ月の応募が5件から15件、30件と少しずつ増えていき、月に数十万円稼げるようになっていったんです。その頃から法人化を視野に入れ始めました。

オフィスの外階段にて。実は人と話すのが得意ではないという村田さん。取材やイベントの依頼は「自分の言葉で伝える訓練になるので」積極的に引き受けることにしているそう
オフィスの外階段にて。実は人と話すのが得意ではないという村田さん。取材やイベントの依頼は「自分の言葉で伝える訓練になるので」積極的に引き受けることにしているそう
写真撮影サービスを行う会社の顔として、身だしなみには特に気を使う。「キャンメイクの口紅は安くてかわいいのでお気に入り。色付きのリップクリーム感覚で使えるので、ハンドクリームと共にいつも持ち歩いています」(村田さん)
写真撮影サービスを行う会社の顔として、身だしなみには特に気を使う。「キャンメイクの口紅は安くてかわいいのでお気に入り。色付きのリップクリーム感覚で使えるので、ハンドクリームと共にいつも持ち歩いています」(村田さん)

 大学卒業後は、いったん東京でリクルートホールディングスに開発ディレクターとして就職しました。いきなりラブグラフを本業でやっていくことには正直なところ不安もあったし、共同創業者が一つ下の学年だったので、彼の卒業を待って、足並みをそろえて専念したかったからです。自分で事業をやっているので、いずれは会社勤めを辞めるつもりであることまで話した上で、リクルートは採用してくれました。

 ところが、就職してすぐの頃からラブグラフと大手企業とのタイアップが増えてきて、副業にとどまらなくなってしまったんです。会社の同期はすごく優秀だったし、このままではどちらも中途半端になってしまうと思い、入社わずか3カ月でしたが退職を決断しました。