キャリアビジョンの違いに向き合うには

 最後に、各社が今後取り組むべき課題について語りました。ジョンソン・エンド・ジョンソンの荒川さんによると、同社は、東京の本社だけでなく全国の拠点で活動が自発的にできることを目指しているそうです。心の距離ができてしまわないよう、各拠点の社員が情報を共有し、本社以外でも活動に関連するイベントに参加する機会を持つことを課題として挙げました。

 また住友生命保険の小野寺さんは、女性のキャリアビジョンが人によって大きく異なるため、より多くの女性職員が具体的なビジョンを考えられるようフォローしていきたいと話しました。女性管理職の候補者の層を厚くすることで、健全な競争環境を確保する狙いもあるそうです。

 JTBの高崎さんは、4月にスタートした経営改革を進めることを今後の目標に掲げ、「新しい取り組みを始めることで会社は変わろうとしている」というメッセージを社員や社会に発信する重要性を語りました。

JTB 執行役員 働き方改革・ダイバーシティ推進担当 高崎邦子さん
JTB 執行役員 働き方改革・ダイバーシティ推進担当 高崎邦子さん

 会場には多くの来場者が集まり、およそ半数を男性が占めていました。藤川編集長は、「今日は具体的な施策や各社のリアルな声を聞くことができました。どんな施策が組織活性化につながるかは企業文化や組織の在り方によって異なりますが、ここで得たヒントを明日から役立ててもらえたらと思います」と語り、セッションを締めくくりました。

文/華井由利奈 写真/稲垣純也