続いて登壇したのは、その他製造業部門で3位となったLIXILの成田さんです。2011年に国内住設機器メーカー5社が統合して誕生したLIXILは、「住生活産業のグローバルリーダー」となることを掲げており、そのためには「エネルギーと創造性を創出できるダイバーシティ」が必須であるとして、2012年1月にダイバーシティ推進室が設置されました。2014年には、女性に特化したアクションプラン「WeDoアクション」を策定し、目標数値も設定しています。

LIXIL 日本人事総務本部 人事部 ダイバーシティ推進室 室長 成田雅与さん
LIXIL 日本人事総務本部 人事部 ダイバーシティ推進室 室長 成田雅与さん

 具体的な取り組みとしては、「人事施策」「人材育成」「環境整備」「風土醸成」の4分野において、実行権限のあるリーダーが率いるワーキンググループを結成。特に人事施策として行われている、POD(People&Organization Development)という「人を発掘・抜てきし、機会を与えて育成する」プロセスが有効に機能しているそうです。

 最後に銀行業界で1位にランクインした、りそなホールディングスの杉本さんが登壇。女性活躍推進の起点となったのは、2003年の「りそなショック」で想定以上に多くの男性社員が退職し、人員構成が大きく崩れたときでした。

りそなホールディングス 人材サービス部 ダイバーシティ推進室 室長 杉本仁美さん
りそなホールディングス 人材サービス部 ダイバーシティ推進室 室長 杉本仁美さん

 同グループでは二つの大きな制度改革が行われたそうです。一つは「組織のフラット化」。2004年7月に総合職・一般職という職制を廃止。現在は、すべての社員が希望する勤務エリアを申告する「本拠エリア制度」と、個々人のキャリア形成やキャリアフィールドを自ら選択する「キャリアフィールド制度」の二つを導入しています。

 もう一つは、2008年7月に導入した「同一労働同一賃金」の考え方です。職務の難易度や職責の大きさを示す職務グレードと人事評価を、職種にかかわらず共通化。同一の職務グレードであれば、社員(正社員)もパートナー社員(パートタイマー)も給与が時給換算で同額になるようにしています。