独身・育児中など、立場によって異なる課題

 独身、既婚、子育て……女性は人生の選択によって抱える課題も様々。「育児と仕事の両立は、まだまだ周りの同僚の理解を得るのは難しい」などと出産や育児への理解を求める意見が目立ちました。

「女性の営業を増やす動きはありますが、新婚女性に対して、特に社内結婚した女性は事務職や秘書室などに回される傾向がある。どこまで女性の長期活躍を意識しているか疑問です」(28歳、営業)

「男性と同等に考えてもらえることは良いと思いますが、一方では家庭を持つことが遅れてしまう女性も出てくると思いますのでメリット・デメリットがあるな、と思います」(30歳、技術)

「女性は出産があるので、人事制度も全く男性と同じではなく、出産タイミングを考慮したものにしてもらいたい。今のままでは男性優位な制度に自分が合わせるか、諦めるかのどちらかしか選択肢がない」(33歳、企画)

「育休から復帰したので、どうしても保育園に合わせての勤務時間になります。仕事がどうしても残ってしまう時に理解があると嬉しいです」(34歳、一般事務)

「女性の経営管理職の割合を高めるなどの目標は出ているが、それに合わせた育児環境制度が整ったわけではないのでどうなるのかと思う」(29歳、一般事務)

 独身女性からはこんな声も。

「私は独身なので産休育休を取っている職員の仕事のカバーをしなければならない。税金を多く持っていかれる独身者にとっては(この法律は)あまり得しないのでは……」(40歳、経理)

「既婚者、子持ちの女性にスポットが当たっているように感じてしまうので、そうなると独身女性は肩身が狭くなる一方です。そんな独身女性にも働きやすく、婚活しやすい社内になるといいと思います」(32歳、営業)

働き女子が考える、女性活躍のために「本当に必要なこと」

 女性活躍推進法をきっかけとした職場の対策に首をかしげる声が多数寄せられた今回のアンケート。働き女子が本当に必要と感じている対策とは?

「男性の意識が変わらないとどうしようもないです」(36歳、技術)

「女性活躍をうたっても、社会の支配層である50~60代男性の価値観が変わらない限り、女性の仕事が増えるばかりだと思う」(37歳、管理職)

「これからは女性が育休などを取っても本当の意味で気軽に社会復帰でき、昇進し給与もUPする取り組みを国でおこなってほしい。まだまだ周りでは就職できない人や、男性上位が多いので……」(32歳、総務)

「個人的には出世したい人もいれば、別のベクトルにモチベーションを持つ人もいるので、“管理職を増やす!”といったような一点集中型ではなく、多様性を認め、いろんな制約(子育て、介護など)がある中でも活躍できるし、それを適正に評価される世の中になればいいなと思う」(36歳、一般事務)

「スウェーデンの会社と仕事をしているので、日本はめちゃくちゃ遅れていると感じる。日本社会は未婚の母をもっと奨励してほしい。スウェーデンやフランスと出生率比べるんだったら、未婚の母が当たり前の社会になるべきでしょう」(41歳、自営)

「託児所がある企業ってすごいなと思います。どんな会社にも当たり前にできる日が来たらいいなと思う一方で、電車通勤で連れて行くのは大変だから現実的ではないかもしれません」(29歳、一般事務)

「希望としては、託児所の増設や仕事復帰の確約など安心して仕事と家庭に取り組める環境作りに徹してほしいです。年金よりも今はこれから日本を支える人を増やさないとどうにもならないので、安心して妊娠出産できる環境にもっともっとチカラを入れてほしいです」(33歳、一般事務)

文/大楽眞衣子