やりたいことを、楽しんでやればいいんじゃない?

 だから、日経ウーマンオンラインを読んでいる働く女性の方々で「何を目指せばいいか分からない」と悩んでいる人がいるとしたら、「そのままでいいんです!」と声を大にして言いたいですね。そのまま「ほわっと」させときましょうよ。「ほわっとしている私」は、未来対応しているんですから。

 職業名や肩書きにはこだわらず、今の仕事の中で面白いことがあれば続けていいし、本屋さんを始めたいと思ったら本屋さんになろうとしてみたり、ブログ執筆を徹底的に楽しんでみたり、その時々でやりたいことをやっていいんじゃないでしょうか。

 履歴書に立派な資格やそれらしい肩書きを連ねられることで安心を感じられるのかもしれないけれど、それに頼り過ぎる生き方のほうがこれからは危ないと思います。純粋に面白いと思えることを極めていったら、その時々の呼び名として肩書きは付いてくるもの。

そのまま「ほわっと」させときましょ 写真/洞澤佐智子
そのまま「ほわっと」させときましょ 写真/洞澤佐智子

 実際、僕と一緒に活動しているメンバーを見ても、「これがやりたい」と明確に決めているやつはそんなにいない。「楽しめることをしたい」にこだわっているだけ。それでちゃんと信用を稼いでいるし、結果的に生活も回っていますよ。

 「面白いことってどうやって見つけるの?」と迷ったとしたら、子どもの頃の自分に戻ってみてください。あの頃は何も考えずに、自分が好きな遊びを選んでいたじゃないですか。いつの間にか、好きなことを我慢して大人が決めた「やるべきこと」をすることで「いい子」になり、本当に心が躍る楽しいことを忘れてしまった人、結構多いんじゃないかな。

 そういう意味では僕はずっと、子どもの頃の遊びを続けているような感覚で、やりたいことを見つけてきているんですよね。

聞き手・文/宮本恵理子 写真/洞澤佐智子

連載「西野亮廣の これからの話をしよう」の全記事は、日経ウーマンオンライン編集部が編集方針を決定した上でインタビューをもとに書き起こし、西野さんに内容をご確認いただいて公開しております

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