運用は怖いもの?

 「運用」というと、なんだか怖いものと思う人もいるかもしれません。金融広報中央委員会が行った調査によると、金融商品を選ぶときに「元本が保証されている」ことを重視する人は26.6%と最も多く、「利回りが良い」を重視する人(18.3%)を上回っています※1。また、これから保有したい金融商品について「預貯金」を希望する人は44.7%と最も多く、株式や投資信託等の有価証券を希望する割合(23.7%)を大きく上回っています。自分のお金を管理していく上で、それを増やすことよりも、守ることを強く意識している人が多いことがうかがえます。



 しかし実は、「運用」は一概に怖いものではありません。運用とはお金を増やすこと全般を指し、広い意味でいえば、お金を貯めて増やしていく「貯蓄」も含まれるからです。預貯金を持っている人なら、既に運用を経験しているといえるのです。

 一方で、値動きがある株式や債券、投資信託などにお金を投じることを「投資」といい、これも運用の一つです。つまり、お金を運用することは、必ずしも高い収益を狙って投資をすることだけではなく、貯蓄も含めて上手に増やすことを指すわけです。

 今はとても金利が低く、コツコツ貯めるだけではなかなかお金が増えにくい状況です。そんな中で、初心者の方も上手に運用をして、お金を少しずつ増やすチャンスを広げていきたいものですよね。

金利の高い預金を探そう

 「貯蓄」で運用をするなら、預金の金利に注目してみましょう。今、自分が預けている銀行の金利は何%でしょうか? 2017年7月現在、大手銀行の普通預金の金利は年0.001%、定期預金で年0.01%です。これは、仮に100万円を1年間預けて得られる利息が10円、100円ということです。定期預金では、満期が長いものではより高い金利がつくこともありますが、今はほとんど変わりません。さらに、預金の金利には税金がかかり、利息が入金されるときには20.315%が差し引かれてしまいます。定期預金に100万円預けても、手取りはたったの80円弱にしかならないわけです。

 そこで、少しでも金利の高い預金を探してみましょう。インターネットを中心に取引をするネット銀行なら、金利の水準が比較的高い預金があります。1年満期の定期預金で、年0.05~0.25%の金利がつくところがあります。この場合、100万円を預けると、1年後には500円~2500円(税引き前)の利息がつきます。これなら、化粧品1つ分、ランチ1回分くらいのお金にはなります。もともと出したお金は同じでも、預け先を変えることでお金が増えやすくなり、自分のために使えるお金の幅も広がります。

 ネット銀行はパソコンやスマートフォンから口座開設をして、入出金はコンビニなどのATMでできます。ATMの利用手数料や振込手数料が一部、またはすべて無料になるところもありますので、手数料の出費を節約するのにも有効ですよ。