転職でお給料がストップするリスクもある

 私たちのキャリアのあり方が多様化している中で、新卒で入社した会社で定年まで働き続けることだけが選択肢ではなくなってきています。厚生労働省の転職者実態調査(2015年)によると、従業員の中に転職者がいる会社の割合は35.7%。ITや運輸・郵便、不動産や医療などの業種では、半数近くを転職者が占めています(※1)。いまや、転職をするのは珍しいことではありません。

 とはいえ、お給料の収入がストップしないように転職するには、今の会社に勤めながら転職活動をする必要があります。さきの調査によると、在職中の転職活動期間(※2)は、「なし」という人が約3割(28.2%)いる一方で、「1カ月以上3カ月未満」は約3割(27.5%)、「1カ月未満」は約2割(20.4%)です。次の仕事がすぐに見つかるケースもありますが、転職活動にはおおよそ3カ月かかると見込んでおくと安心でしょう。

 もちろん、3カ月以上を要することもあります。実際に、「3カ月以上6カ月未満」という人は13.4%いますし、それ以上の人もいます。転職活動が長引くと、今の仕事との両立も大変ですから、仕事の繁忙期を避けて、集中的に探すのがよさそうですね。

※1 厚生労働省「平成27年転職者実態調査
※2 厚生労働省「平成27年転職者実態調査」
転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間、女性の統計値

 「仕事が忙しくて転職活動がままならない」「とにかく辞めて、落ち着いて転職活動をしたい」などで、転職先が決まらないうちに会社を辞めてしまうなら、収入にブランクが生じることになります。調査によると、前の会社を辞めてすぐに転職先に就職した人の割合は23%です。その他の人は、会社を辞めて次の転職先に就職するまでに離職期間が発生しています。

 その期間は「1カ月未満」(28.6%)、「1カ月以上2カ月未満」(12.5%)、「2カ月以上4カ月未満」(11.5%)と、半数以上の人は4カ月未満におさまっています。転職するなら、おおよそ4カ月は、もし収入がストップしても暮らせるよう、生活費分を貯蓄しておくと安心です。