カードは海外旅行でも便利

 海外旅行に出掛けるときには、滞在先で使うお金を用意しますよね? でも、慣れない土地で高額の現金を持ち歩くのはちょっと心配なことも。

 そこで便利なのがクレジットカードや国際ブランドのついたデビットカード、プリペイドカードです。カード払いが普及している地域なら、ホテルやレストランはもちろん、お土産のお買い物でもクレジットカード払いができます。デビットカードやプリペイドカードも、クレジットカードと同じように利用できます。

 カードを海外で利用したときの代金の引き落としも、通常のお買い物と同じように、銀行口座から日本円で引き落とされます。

 クレジットカードを利用したときは、海外でカードを利用した請求データは、おおよそ2~4日後にカード会社に送られ、そのときの為替レートで日本円に換算されます。デビットカードやプリペイドカード(※)を利用したときは、利用した時点での為替レートで換算された日本円の金額がいったん引き落とされます。

 そして後日、請求データがカード会社に到着した時の為替レートで、最終的な引き落とし額が決まります。いったん引き落とした時の為替レートから変動がある場合には、その差額が引き落とされるか、入金されるかにより調整されます。

※プリペイドカードには、あらかじめ外貨をチャージできるタイプもあり、その場合はお買い物時には外貨で引き落とされます。

 適用される為替レートはカード会社所定のもので、利用明細書で確認できます。この為替レートには、海外利用に関わる事務処理手数料が含まれています。

海外で現金が必要になったときは

 国際ブランドのカードなら、現地の空港や駅、大きな街にあるATMのうち、ブランドに対応している端末から現地通貨を引き出すこともできます。銀行のキャッシュカードのようにATMにカードを入れ、暗証番号を入力すると、外貨を受け取ることができます。デビットカードで現地通貨を引き出すと、自分の銀行口座から日本円換算した金額が引き落とされます。プリペイドカードなら、チャージしておいた残高から差し引かれます。

 クレジットカードの場合は、現地通貨を借り入れる海外キャッシュサービスを利用することになります。これはキャッシングの一つです。利用した金額は、利用データがカード会社に到着した日の実勢レート(その時の為替レート)で日本円に換算され、後日返済します。通常のお買い物と同じように、銀行口座から合わせて引き落とされます。その際、返済金額に利息が加算されます。

 金利は実質年率で15~18%程度で、キャッシングを利用した日から引き落とし日までの日割りで計算されます。

 例えば、アメリカのATMで5月1日に海外キャッシュサービスを使って100ドルをキャッシングし、6月10日のカード引き落とし日に返済した場合、為替レートが1ドル100円、実質年率が18%なら、1万円の18%を40日間分で日割りした197円が利息になります。また、利息とは別にATMの利用手数料がかかります。利用する金額によって異なり、108~216円ほどです。

 なお、海外キャッシュサービスを利用するには、カードにあらかじめ利用枠を設定しておく必要があります。これは、カードの利用枠とは別のもので、カードの入会時やインターネットで申し込みます。カードによっては利用できないこともあるので、ご自身のカードが対応しているか、一度確認してみましょう。

 いずれの方法も、カードがあれば利用できるので、手元に現金が無くても使えること、両替をする手間を省けるのがメリットです。また、使った履歴がカードの利用明細に記載されるので、旅行中の支出を管理するのも楽です。対応ATMは各カード会社のウェブサイトで検索することができますので、出発前にチェックしておくと良いですね。