編集なのに営業ノルマに追われる日々

 営業ノルマを達成するためには、多くのクライアントからの仕事を受ける必要があり、本来注力したいウェブコンテンツの企画や制作ディレクションなどは、外部プロダクションやライターに任せきりとなってしまうことも少なくなかったという。

とにかく抱えている案件が多すぎて……毎日必死でした (C) PIXTA
とにかく抱えている案件が多すぎて……毎日必死でした (C) PIXTA

 「一度に多くの案件を抱えているので、とにかく間違いが起きないよう、毎日、なんとかスケジュールを回していくのが精いっぱいという感じでした」

 そうした中でも、できる限りクライアントのニーズに応えて、いいものをつくりたい、と頑張っていた有里さんだったが、「どうにも納得できない」ことがあった。

 「経営方針です。あまりにノルマ達成プレッシャーがきついので、高い目標を達成すれば何も言われないのではないかと、必死に頑張って達成しました。そうしたら、『この数値目標は達成できることが分かったから』と、次の期からさらに高い目標が設定されてしまったんです。このノルマを一律で背負う同僚たちにも申し訳ない気分でしたし、何より質が下がることで、クライアントに迷惑をかけてしまうのが嫌でした」

 そうした中、頼りにしていた上司が辞めてしまう。

 「編集の仕事を教えてもらえる人もいなくなってしまっては、ここにいる意味ないなと。転職後、まだ1年と少したったところでしたが、2度目の転職をしようと思いました」