「本当に子育てしながら働きやすい会社」の見極め方

「子育てしながらでも本当に働きやすい会社」を見極めるには?

答え.経営者の価値観から考えるといいでしょう。

 今の日本では、産休や育休制度など、働きながら子育てするための制度は一通り整いつつあります。ですが、それを実際に使えるかどうか、子育てとの両立がしやすい運用ができているかどうか、子育て中でも活躍できるようになっているかどうか、というのは、それぞれの会社の風土によるところが大きいように思います。そして、会社の風土というものは、経営者の思想、価値観によるところが大きいです。サイボウズなどが分かりやすいですし、伊藤忠商事など昔からある会社でも経営者が変わったことで、風土が大きく変わりました。

 ですので、「子育てしながら働きやすい会社かどうか」を見極めるためには、今その会社で働いている人に尋ねてみるのも重要なのですが、それ以上に、経営者がどのような考え方を持っているのかを知ることが、その会社が今後向かっていく方向性を知る上で重要だと考えます。

 これは私の見解ですが、経営者には大きく分けて、「事業ドリブン」の人と、「組織ドリブン」の人の二種類がいる気がします。

 「事業ドリブン」の経営者とは「売上を上げるのがすべてだ」「利益を上げるのがすべてだ」などと、事業の成長にしか興味がないタイプです。スタートアップしたてで急成長しているベンチャーなどには、そうした人の割合が多いように思います。こうしたベンチャー起業も、成長の過程で「優秀な社員に長く働いてもらって、事業を継続していくためには、働き方も大切だ」という方向に変わってくるものなので、経営者の資質だけの問題ではなく、事業フェーズによって変わってくるところもあるかと思います。

 一方、「組織ドリブン」の経営者とは、そもそも「従業員が働きやすい会社をつくりたい」「気持ちよくチームワークができてこそ成果が上がる」といった考えで会社経営をしているタイプで、こうした経営者がいる会社では、比較的、子育てと両立させて働きやすいのではないかと思います。

 「事業ドリブン」、「組織ドリブン」どちらのタイプの経営者であっても、基本的には「優秀な社員には長く働いてもらいたい」と考えているはずです。

 ですので、もし今の会社にいて、子育てと両立して働き続けられるかどうかが不安なのであれば、その不安を経営者に伝える、というのも一つの手です。経営者はそうした女性社員のニーズがあることを知らないだけで、「そうしたニーズがあるならば、子育てと両立して働きやすい職場にしよう」と、動いてもらえる可能性もありますし、そうしたニーズに対して、全くもっていい反応が得られそうにない場合は、転職を考えたほうがいいかもしれません。