ペースダウン派は本当の転職理由をつきとめよう

 ペースダウン派の多くは、「残業が多い」「ノルマが厳しい」など体力的精神的にハードだったり、「ロールモデルとなるような先輩女性が少ない職場で働いている」といった女性たち。

 「今は良くても、ライフイベント後も同じ働き方をしていくことはできないのではないか」という不安から会社の制度も充実していて、今よりもゆるく働けそうな仕事に転職したいとペースダウン転職を希望するのだ。

 しかし、そうした理由だけで転職活動をして採用されるほど甘いものではない。

 「当然のことながら、企業は高い成果を上げられる人を求めていますし、入社後すぐに産休、育休を取得されてしまっても困るわけです。だから、単にペースダウンしたい、という理由だけで転職活動をすることは難しいかと思います。ただ、ペースダウン派の人の話をよく聞いてみると、その中身は様々なのです。今の仕事の何が問題なのか、それをあぶり出して、真の転職理由を突き止めるのがエージェントの力の見せどころです」

 たとえば、「営業職を長く続けるのはつらいから転職したい」という人も、実際は「ノルマが厳しいからつらい」「男性中心の職場環境が働きにくい」「扱っている商品に興味がない」など、人によって「つらさ」や「不満」の内容は一人ひとり異なっている。

 また、ペースダウンをしようと営業から営業事務に職種転換したところ、「細かい事務作業は苦手で、自分はお客様と接する仕事の方が向いていると気づいた」というケースもある。

 ペースダウン派は、単に「もう少しゆるく働きたい」というだけでなく、今の仕事、働き方のどんな点を変えたいのか、どんな点は変えたくないのかを具体的に書き出してみよう。

 「楽でゆるいだけの仕事はありませんが、より働きやすい仕事、職場は見つかる可能性があります。そのためにも、今の仕事のなにを変えたいのか、なにを変えたくないのかを明らかにしてから転職活動をはじめることをおすすめします」

 それでは、今の仕事に物足りなさを感じている人たちはどうしたらよいだろう。