「ステップアップして、もっとやりがいのある仕事をしたい」「将来を考えて子育てと両立しやすい会社に転職したい」「このままじゃいけないと思うから転職したいけど、給料が下がるのは嫌……」。今の仕事に対してモヤモヤしているけど、一歩が踏み出せない。隣で一歩踏み出した人がまぶしく映る。そんな悩めるアラサー読者たちのために、10万部超えのベストセラー「転職の思考法」著者の北野唯我さんが「アラサー女性に向けた転職の思考法」を特別指導。転職への迷いや焦りをスッキリ解決していきましょう。

「やりたい仕事が分からない」本当の理由は単純

 転職はしたいけど、「自分に向いている仕事が分からない」「やりたい仕事が特にない」という人も多くいます。私は、「気持ちはよく分かる」と思いつつも、単に仕事のことをよく知らないだけなのではないかと思っています。「好奇心がなければ、知識欲も高まらない」とよくいわれますが、そもそも知識がないから好奇心も湧かない、という側面もあります。

 例えば、「やりたいことをやっている」象徴のようなスポーツ選手。もしも世界にスポーツが全くなかったら、サッカー選手や野球選手になりたいという人は出てきませんよね。「これがやりたい」というものが明確にある人ですら、最初はそのことについて知識を得て、好奇心を持って取り組むうち、「やりたいこと」に変わる、というサイクルをたどってきているはずなのです。

確かに、知れば知るほど、興味が湧いてくるってこと、ありますよね (C)PIXTA
確かに、知れば知るほど、興味が湧いてくるってこと、ありますよね (C)PIXTA

 そう考えると、自分探しをするだけで、やりたいことが見つからない理由は、「職業」という観点で自分探しをしていないからではないでしょうか。最初から「野球が好きだから野球一筋」という人もいれば、「野球をやってみて、何か違うと思って、サッカーをやってみて、やはり違うかなと思ってラグビーをやる」などということもあります。仕事も同じで、いろいろな仕事を経験するうちに、自分のやりたい仕事、向いている仕事が見えてくるものです。

 自分のやりたい仕事はやってみなくては分からないといって、自分のやりたい仕事を探すためだけに職を頻繁に変えるわけにもいきません。やってみたことのない仕事をどうやって体験すればいいのでしょうか。