『やりたいこと』の中身は、社会貢献、ソーシャルグッドに関わる活動であったり、趣味に関する活動であったりします。『やりがい』と『子育てとの両立』を重視して、多くは稼げないものの、家計の足しになる程度に稼ぎながら『やりたいこと』を重視する、という考え方です」

「いつかフリーランスになりたいよね」という女性が増えています (C) PIXTA
「いつかフリーランスになりたいよね」という女性が増えています (C) PIXTA

 福島さんは、そこにも、ゆとり世代ならではの不安があるのではないか、と指摘します。

 「女性活躍推進」の動きにより、最近は共働き育児が一般的となりつつあり、企業の両立支援制度も、まだまだ全然不十分だと思いますが少しずつ充実してきています。しかし、保育園不足はなかなか改善されず、長時間労働の企業体質もすぐに変わりそうになく、「両立不安(子育てと仕事の両立に対する不安)」は依然として解消されません。そうした中、今、働き方の選択肢の一つとして注目を浴びているのが、フリーランスという働き方です。

 「両立不安も解消され、やりがいある仕事ができて時間的な余裕もありそう、となんとなくすべての要望がかないそうで『良さそう』と思われているのがフリーランスなのではないでしょうか。

 しかし、フリーランスには会社員のような福利厚生も社会保障もありませんし、収入も不安定。しかし、そうした現実的な話を教えてくれるところはないため、負の部分に目を向けづらく、キラキラしたイメージだけで語られているのは危険な気もしています」

 福島さんは、こうした「不安」に駆られてなんとなく転職を繰り返したり、安易にフリーランスを目指そうとしたりするゆとり世代に対して、「その選択のメリットだけではなく、デメリット、リスクについても考えて冷静に判断してほしい」と訴えます。

 では、若いうちに転職を繰り返すことによるリスクとは何でしょうか。次回は、ゆとり世代が転職の際に意識するべきポイントについて福島さんと考えていきます。

文/井上佐保子 写真/PIXTA

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