条件を聞かれて「御社にお任せします」はNG

 収入や出社日といった条件については、最終面接などの際などに直接尋ねられるかと思います。そのときは、「御社にお任せします」ではなく、しっかりと自分の希望する条件を伝えるようにしましょう。相手に合わせ過ぎて転職後に後悔するのは避けたいものです。

 収入の希望額については、交渉可能な範囲かどうかをエージェントに事前に相談してみてもいいと思います。また、出社日についても、企業側の希望が「すぐ来て、前任者からの引継ぎをしてほしい」という場合もあれば、「とにかくふさわしい人が採用できれば時期は問わない」という場合もあるので、このあたりも相談してみると良いでしょう。

6、内定から円満退職へ

 転職活動での努力が実り、晴れて「内定」となっても、気を抜くことはできません。

 内定通知が出ても、すぐに受諾するのではなく、具体的な雇用契約条件を書面できちんと確認してから回答するようにしましょう。もし、なにか気になる点があれば、必ず確認するようにします。

 エージェントを通した転職の場合、内定通知もエージェントを通じて行われます。1社から内定が出たものの、他にも受けている会社がある、受けたい会社がある、という場合はエージェントに相談し、エージェントの方からその旨伝えてもらうようにします。

困ったときに頼れるのが、エージェントを通すメリットの一つ (C)PIXTA
困ったときに頼れるのが、エージェントを通すメリットの一つ (C)PIXTA

 もし、別のエージェントを通して他社を受けている場合も、そのことを率直にエージェントに伝えるようにすれば、内定先に回答を待ってもらったり、「他社で内定が出ているから」と、面接のスケジュールを早めてもらうなど、調整を図ってくれるはずです。

転職活動の最後の関門は「退職」

 転職活動の最後の関門が退職です。

 内定企業側にとって、早期の入社が最優先事項だった場合は、前職の退職時期の調整ができなかったことで、不採用となる場合もあります。退職についてどのように伝えるか、どのように退職手続きをとるかによって、円満に退職できるかどうかも変わります。前職の会社に迷惑のかからない形で、新しいスタートを切りたいものです。

文/井上佐保子 写真/PIXTA

藤井佐和子

キャリエーラ代表。キャリアアドバイザー。
カメラメーカー、人材エージェントのコンサルタントを経て、2002年に独立、現在は、女性を対象とした、延べ13000人以上の対面キャリアカウンセリング実施、また、ダイバーシティやキャリアをテーマに企業研修、講演を行う。著書に「あなたには、ずっといてほしいと会社で言われるために、いますぐはじめる45のこと」(ディスカバー・トゥエンティワン)など多数。
この連載は、毎週月曜日に公開しています。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
記事一覧ページはこちら ⇒ 【アラサー世代の転職指南塾】