キャリアを見つめ直して2度目の転職

 33歳、2度目の転職は慎重にしたいと、女性向けのキャリアセミナーに参加するなど、まずは自分のキャリアについて考えてみるところからスタートしたという。

 「この先のキャリアを考えると、今の会社は安定しているけど、給料がそれほどいいわけでもなく、将来マネジャーになりたいとも思えませんでした。そこで、もう一度仕事の棚卸しをして、自分はどうしたいのか、じっくり考えてみました」

 考えた結果出てきたのが
1.生涯現役で働きたい
2.場所の制限なく働きたい
という二つの条件だった。

 「老後資金を心配して貯金に励むよりは、年を取っても稼いでいける力をつけたいと思いました。また、一人暮らしをする母の住む実家と東京、あるいは旅先でも働けるのが理想だな、と。そのためには、苦手と思っていたITベンチャーの仕事もいいかもしれないと思い始めました。これからの時代、IT業界に明るくないとやっていけないという危機感もありました」

 IT分野のことは詳しくなかった明美さんは、複数の転職エージェントに相談。早速、いくつかの企業を紹介されたが、困ったのは志望動機だった。

 「そもそもIT企業で私に何ができるのか、何がしたいのか、見当もつかなかったのです」。それを救ってくれたのが、ある転職エージェントのコンサルタントだった。明美さんの相談に乗りながら、「Will(やりたいこと)Can(できること)Must(やらなければならないこと)」のフレームワークに整理し、うまく応募先企業の志望動機につながるようにアドバイスしてくれたのだという。