転職活動を進めていく際、必ず提出することになる職務経歴書。キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんは、職務経歴書の書き方にもコツがあると話す。求人に合わせた職務経歴書の書き方について聞いた。

転職活動する前に職務経歴書を書いてみるといい

 転職活動の際、書かなくてはならないのが、それまでの職務経験について記載した「職務経歴書」です。実際は入社したい企業が見えてきて、応募段階で必要となる書類ですが、私は転職活動に入る前の段階で一度作成してみることをお勧めします。

(C)PIXTA
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 というのも、職務経歴書を書く中で、仕事の棚卸しができるだけでなく、過去の仕事経験について振り返ることができ、知らず知らずのうちに自己分析ができてしまうからです。

 記入する際、まずは時系列でやってきたことを、「新規プロジェクトチームに入って提案書類作成のサポートをした」「社内の女性活用プロジェクトのメンバーの一人として両立支援制度の立案に携わった」「部署が統合された際の親睦イベントを企画した」など、メインの業務以外のことも含め、大小問わず、やってきた仕事を思い出し、つらつらと書きつづってみましょう。

 「あの仕事は楽しかったな」「あの仕事は達成感があったな」などと、自分自身がたどってきた道を振り返るうち、自分がどんな仕事が好きなのか、どんな仕事が得意なのか、といった傾向を知ることができます。

 転職を考える人の多くは、「今の会社を辞めたい」という気持ちが強く、「たいした仕事をさせてもらえなかった」「まったく能力が身につかなかった」などと、過去の経験に対して否定的になっていることも多いものです。ですが、職務経歴書を書くことで、「よく頑張ってきた」「ずいぶん成長している」と、過去の経験を肯定的にとらえ、自信を持てるようになり、前向きに転職活動に向かうことができるようになります