今、転職市場では、転職することで年収が増えていく「キャリアアッパー」と、転職を繰り返すだけで年収増につながっていかない「ジョブホッパー」の二極化が進んでいるという。ジョブホッパーにならないためにはどうすればいいのか。人気キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんに、転職前の心構えについてアドバイスをいただいた。

「キャリアアッパー」と「ジョブホッパー」の違いとは

 今、日本の転職市場は活況が続いています。「転職したい」と考えているアラサー女性にとっては、またとない大チャンス。ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。ですが、転職を考えるときに、まず知っておいていただきたい事実があります。

 それは、転職者の中には、転職によってキャリアアップし、年収も増えていく「キャリアアッパー」と、転職を繰り返すばかりでキャリアアップせず、年収も変わらない「ジョブホッパー」がいるということです。

(C)PIXTA
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転職後の年収 広がる格差

 そして今、日本では、男女ともにこの「キャリアアッパー」と「ジョブホッパー」と間の年収格差が広がりつつあるのです。

 この事実は、厚労省が発表した転職者実態調査の中で、はっきりと示されています。

年収階級別初職からの転職回数が2回以上の者の割合(役員または正規の職員・従業員、男女計)
年収階級別初職からの転職回数が2回以上の者の割合(役員または正規の職員・従業員、男女計)
参照:厚生労働省 平成26年版 労働経済の分析

 グラフを見ると、転職2回以上の経験者は大きく年収500万円未満の「ジョブホッパー」層と年収1500万円以上の「キャリアアッパー」層に分かれています。特に30代は二極化の傾向が顕著に表れており、転職2回で年収500万円~1000万円になった、という中間層はぐっと少なくなっています。