アラサーから大学院に挑戦 高度な資格取得で夢をかなえる

梶川さん
32歳
航空・客室乗務員(450万円) → 大学院 → 大学病院助教(600万円)

 梶川さんは、会社を辞め、大学院(医学研究科)へ進学した後、大学病院へ転職という少し特殊なケースです。大学卒業後、国際線の客室乗務員として海外を飛び回っていた梶川さんですが、不規則な仕事ということもあり、体的にきつく、長く続けられないと感じ、何か資格を取って専門職に就きたいと考え始めました。

ポイント 1◆長く働くことを意識し、希望する資格を得るため大学院へ進学

 梶川さんは、以前から興味のあった分野について学び、医療系の特殊な資格を得るため、大学院受験を決意し、見事合格します。大学院では勉強と研究に没頭し、希望していた資格も取得。

 進学に当たっては、手帳に希望する将来設計や現状と未来のメリット、デメリットをまとめ、書き込んでおき、「大学院進学で一時的に収入が無くなり、不安定になったとしても、興味ある分野で長く働き、年収は30代後半で目標年収に届けばいい」といったことを意識するようにしていたそうです。

ポイント 2◆転職でかなえたかったことを、きちんとかなえる

 大学院卒業後は、研究所で一時的に働いた後、現在の大学病院でのポストを見つけて応募。面接で前職の経験も生かし、「笑顔」「要点をまとめて話す」「話し方や姿勢から熱意を伝える」といった3点に気を付けていたそうです。

年収は30代後半で目標年収に届けばいい、と意識していました (C) PIXTA
年収は30代後半で目標年収に届けばいい、と意識していました (C) PIXTA

 転職後は、「規則正しい生活を送れるようになって、肌荒れが治った」「表情が柔らかくなったと友人に言われた」「興味あった分野について深く知ることができている」「将来性のある分野の仕事に関われている」そうです。

 そして、「人生どうにかなる、という気持ちがより強くなった」ということで、転職でかなえたかったことをきちんとかなえており、満足度は高いとか。

 現在は「実は直近の組織改編で、年収がちょっと下がってしまったんですよ……」とのことでしたが、「30代後半で目標年収に届けばいい」と考えて将来設計をし、キャリアを積み重ねてきた梶川さんが得た最大の成果は、年収アップではなく、「人生どうにかなる、という気持ちがより強くなった」という自分への信頼感なのかもしれません。

文/井上佐保子 写真/PIXTA

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