時短契約社員から正社員に転職 子育て中でも働きやすい職場へ
31歳
研究機関・研究補助(170万円) → 建設・研究開発、知財法務(570万円)
外資系医療機器メーカーの管理職として研究開発、マーケティングの仕事をしていた木村さんの転職は31歳。もともと転職するつもりはなかったといいます。
ところが、妊娠中に切迫早産のため長期入院しなければならず、また、夫の転勤による引っ越しも重なったため、無事に出産した後も今度は職場復帰することへの不安が大きくなり、退職を決めました。
産後1年から心機一転、新しい会社で正社員として働こうと転職活動を開始。前職のキャリアが認められ、5社から内定がもらえたものの、さまざまな条件に不安が残ったため、入社は断念。
しかし、認可外保育園に入園が決まっていたこともあり、夫の上司から「社会人復帰のリハビリとしてどうか」と、紹介された研究所で時短契約社員として働きながら、正社員への転職活動をすることになりました。
ポイント 1◆自分の社会人生活を棚卸しし、現状を分析して作戦を立てた
「子どもがいてもきちんと働きたい」と考えていた木村さんは、専門性を生かしつつ、長く働くことを考え、自身の社会人生活を棚卸しして現状を分析し、転職のための作戦を立てるところから始めました。
そして、「長期的にスキルアップが見込める職種」「裁量が任され、在宅可能な仕事」「子育て中の社員に理解のある会社」「自分の知識、専門性が生かせる仕事」といった視点で多方面から情報収集。
転職エージェントは、情報収集や自分の市場価値を知るために利用していたそうです。現在の仕事は転職サイトで見つけ、直接企業からオファーを受ける形で決まりました。
ポイント 2◆子どもがいても、ちゃんと働きたい! 働けます! をアピール
面接ではとにかく「子どもがいてもきちんと働きたい」ということを強調。「今は時短勤務で働いていて、職場に不満はありません。ですが、社会人としてもっと頑張りたいと思っているので、正社員転職の活動をしています」と、子どもがいても、長く働き、会社に貢献したいという意欲を伝えました。
また、子育てとの両立については「保育園からの呼び出しもあるかもしれず、そこは一緒に働く人に迷惑を掛けるかもしれませんが、それも一時期のこと。仕事は仕事で返します」と、きちんと仕事をすることでカバーしていきたいと率直に伝えたそうです。
ポイント 3◆年収にはあえてこだわらず、働きやすさを重視
木村さんは、長く働き続けることを念頭に置き、正社員にこだわって焦らずじっくりと転職活動を行ったことがよかった、と考えています。
また、時短契約社員となることで、一時的に年収が大きく下がることを受け入れていたので、年収アップにこだわることなく、働きやすさを重視した転職ができたようです。
結果的には、前職と比べると大幅に年収が上がっただけでなく、車で30分かかっていた通勤時間が徒歩5分となり、残業もほとんどなし。職場にはワーママが多く、保育園から呼び出しがあっても、気持ちよく帰れる風土があるそうです。また、来年からは給与も上がり、結果的に以前の仕事と同程度になるとのこと。
産前産後は「もう社会は自分を必要としていないんだ」とうつになっていた時期もあったという木村さんですが、今の職場になってからは、そうした「悪いことを考えなくなった」そう。転職後は、夫も保育園の送迎や家事などを積極的にやってくれるようになり、その意味でも働きやすさを実感しているそうです。
文/井上佐保子 写真/PIXTA
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