「転職で年収が上がった」ら、それだけで嬉しいものですが、「転職で年収が100万円アップ」という、聞くだけでウキウキしてくるような転職をしている人もいます。「いったい、彼女たちはどんな転職をしたの?年収アップの秘訣は?」気になりますよね。ということで、日経ウーマンオンラインと働く女性のための転職サイト「日経WOMANキャリア」が合同で実施した転職についてのアンケートから、実際に転職して年収が100万円以上上がったと回答した方に追加取材し、それぞれの転職事例をご紹介。第2回は、「実績や専門性をアピールして」年収アップしたお二人をご紹介します。

【転職で年収がアップした人の秘訣】
■第1回  転職後に年収100万アップ 500万円超えの秘訣
■第2回  時短契約社員が正社員転職 年収は170万→570万 (今回はここ)
■第3回  転職で年収600万円を超えた30代女子のやったこと

実務経験は最大の強み 専門性アピールで年収大幅アップ

加藤さん(仮名)
34歳
情報通信・管理系事務(350万円) → 情報通信・管理系事務(525万円)

 情報通信企業の管理部門で事務職をしていた加藤さんが転職したのは28歳のとき。法務、知財を扱う部署で専門性の高い事務職経験を積んでいた加藤さんは、同じ職種で働き続けることを希望していました。

 しかし、所属していた会社が規模を縮小するため、親会社のほうに戻ることが決まり、職種が変わる可能性が出てきたことから転職を考え始めたそうです。また、それまでの「有給が取れない、残業が多い、給料が少ない……」といった状況も打開したいと考え、転職活動に踏み出しました。

ポイント 1◆自分に合ったエージェントを見つけて活用

 加藤さんは一度の登録でさまざまなエージェントを利用できるサービスを使って、10社近くのエージェントと会い、面接の設定など、積極的に活用。決め手となったのは、特に親身になって相談に乗ってくれたエージェントから紹介された非公開求人でした。このエージェントは、自分に合いそうな求人を厳選して紹介してくれるだけでなく、その企業の特徴なども丁寧に説明してくれるなど、「本当に素晴らしい方でした」。

1回の登録で10社近くのエージェントと会いました (C) PIXTA
1回の登録で10社近くのエージェントと会いました (C) PIXTA

ポイント 2◆異なる業界の企業を中心に応募

 応募するに当たって加藤さんがこだわったのは、職種は同じでも、できるだけ他業界の企業を選ぶこと。

 同じ業界だと、どうしても前職と似たような環境になってしまい、新しい仕事に挑戦することもできない上、働き方や待遇も変えられそうにないと考えたからです。加藤さんは前職も現職も情報通信企業に勤めていますが、同じ情報通信ではあるものの、業種はかなり異なっているとのことで、結果的に年収もグーンとアップしました。

ポイント 3◆前職で培った専門性を伝え、「即戦力」をアピール

 加藤さんは、法務、知財に関わる事務についての知識と実務経験が豊富だったため、面接でもそのことを伝え、「即戦力であること」をアピールしたそうです。

 職務経歴書には、何をやってきたのか、何ができるのか、どのように工夫しながらやってきたのかを事細かに記入。「とはいえ、分からないこと、やったことがないことは正直に答え、勉強しながら新しい業務にも挑戦したい、と意欲を伝えるようにしました」。

 年収についての交渉は「特にしなかった」そうですが、「専門性があること、即戦力であること、さらには新しい仕事に対する意欲も評価されたことが、大幅な年収増につながったのではないか」と、考えています。

 加藤さんは現在も、同じ会社でさらに専門性を高めつつ働いており、新しい業務に取り組むことで業務範囲も広がっているそうです。また、前職と比べて収入も休みも増え、体力的にも精神的にも金銭的にも余裕ができ、「すべてがいい方向に進み、満足しています」。