東京には無かった、白浜での「家族と過ごす時間」
―― お子さんが小学校に入ったばかりで白浜に転居。ご家族の反対はありませんでしたか?
私たち夫婦は、九州の宮崎出身なんです。だから、田舎に住むことには抵抗はなく、いつか九州に戻りたいという思いもありました。ただ、白浜は知らない土地。話が出たときは、正直、不安もありました。でも、下見で訪問したときに、海の美しさとか、町の雰囲気とか、おもてなしの文化とか、故郷の宮崎と似ていて、和歌山にも住んでみたいという思いになりました。
子どもは、横浜の小学校に入学して一学期が過ぎ、夏休みを挟んで、二学期から白浜町の小学校に転校しました。もうすっかり慣れて、楽しく過ごしています。
―― 毎日の生活や、ご家族との関わり方に変化はありましたか?
横浜に住んでいた頃、東京のオフィスまで、電車で片道1時間強でした。田舎育ちなんで満員電車が苦手で、子どもが起きる前、6時半ぐらいに家を出ていました。仕事を終えて帰って来るのは夜9時ぐらいなので、平日は子どもの寝顔しか見ることができなかったです。
でも、白浜に来てからは、家族みんな同じ時間に起きて、一緒に朝食を食べて、息子と一緒に学校まで歩いて行きます。家に帰るのも夕方6時半から7時ぐらい。夕飯も家族で一緒に食べますし、子どもと一緒にお風呂も入ります。白浜に来てから、家族との時間は確実に増えています。
―― 奥さまは白浜での生活に慣れましたか?
子どもがサッカークラブに入団したこともあり、親同士の交流も増えていますね。うちが学校から近いこともあり、子どもの友達が遊びに来たりとか…地域の人にも良くしてもらっています。
また、白浜オフィスでは、家族も一緒に参加する飲み会が多いんですよ。新年会では、子どもが5、6人来ていましたね。東京でも、年に一度のファミリーデーがありましたが、家族ぐるみの付き合いという感じではなく、地方のいいところかもしれません。妻は、白浜オフィスのメンバー全員をよく知っていますよ。
<後編は、東京での仕事をそのまま地方オフィスで行い、生産性も向上した秘伝のエピソードを紹介します>
日経DUAL2016年2月25日連載「田澤由利 在宅勤務を失敗させない6つのポイント」から転載。
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