雇用保険の役割は大きい

 働く人のうち「1週間の所定労働時間が20時間以上」で「31日以上働く見込みがある」人は、雇用保険に加入します。給与明細をみると、毎月雇用保険の保険料が天引きされていますよね。

 下の図は、雇用保険の概要を示したものです。

雇用保険制度の概要
雇用保険制度の概要

 このように、育児休業や介護休業の給付金も雇用保険から給付されます。

 失業保険や教育訓練給付金以外にも、雇用保険は働く人のセーフティーネットとして大切な役割を担っているのです。

失業保険はいつからもらえる?

 失業保険は、雇用保険の代表的な給付のひとつです。

 給付額は、退職前6ヶ月間の給料の平均日額をもとに計算されます(上限と下限があります)。給付される日数は、年齢と勤続年数によってそれぞれ異なります。

 また、退職理由により、失業給付(基本手当)が受けられる最初の日が違います。自己都合での退職の場合は、7日+約3ヶ月程待たなければ認定が受けられませんが、会社が倒産したり解雇されたりした場合(会社都合)、7日待って失業の認定を受ければ認定日までの分が振込まれます。

失業手当の受給期間
失業手当の受給期間

失業したときの手続きは?

 会社から「離職票」をもらい、ハローワークへ行きましょう。求職の申し込みをすることで、失業保険を受けるための手続きができます。会社を辞めると、厚生年金や健康保険からも脱退することになります。近くの市区町村役所へ行き、国民年金と国民健康保険の手続きをしましょう。

 健康保険には「任意継続被保険者」という制度があり、2ヶ月以上加入していた人が退職日から20日以内に手続きをすれば、勤めていた会社の健康保険に2年間引き続き加入することができます。会社に勤めていたとき、保険料は会社との折半ですが、任意継続の場合は全額自己負担となります。国民健康保険と健康保険は、保険料と給付内容が異なります。両方を比較して条件の良い方を選びましょう。

 次に年金ですが、会社に勤めているときは厚生年金に加入し第2号被保険者でした。退職後は第1号被保険者(配偶者の扶養になれる場合は第3号被保険者)になります。種別変更の手続き先も市区町村役所です。

 会社に勤めていたときは、会社が手続きを行ってくれていました。退職後はすべて自分で行います。手続きもれなどで、保障や給付を受けられなくなることもあります。忘れずに手続きをしましょう。

◆今後の予定(変更になる場合があります)
第 7回:資産形成はどう考えればいい?(6月22日)
第 8回:病気になったら? 事故に遭ったら? 保険は必要?(7月6日)
第 9回:家は買った方がいい? いつ考える?(7月20日)
第10回:都会と地方、どう違う?(8月3日)

 次回(6月22日)は、「資産形成はどう考えればいい?」をご紹介します。お楽しみに!

イラスト/いいあい