組織の中でがむしゃらに働いた経験も、プライベートの寂しさや仕事の行き詰まりに焦りを感じた経験もある、キャスター小西美穂さん。読者と一緒に働く女性の多くがぶつかる悩みについて考えてみました。今回は、「男性中心の職場の中での働き方」について。組織の中で長く働いてきた経験があるからこその小西さんのアドバイスには、読者も編集部も皆、うなずくばかりでした。

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本日のお悩み

「男社会の職場でなかなか昇進昇格ができそうにない。転職したほうがいいのかも」
【悩んでいる人】
田中さん(28歳・不動産・広報/既婚・子どもあり)
仕事そのものは面白く、新設された部署での業務にやりがいも感じている。部署内のほぼすべての業務を担って成果も出しているつもりだが、上役の役員が「女性より男性を先に昇進」という考え方をするタイプで評価に反映されないことが不満。


田中 不動産業界で男性が多い職場で働いています。所属している広報課は立ち上げから携わっていて、すべての業務に関して貢献してきたつもりです。不満なのは部署を統括している役員が古い考えを持っている人で、「昇進は男性が先」という態度が見え見えなこと。昔ながらの飲みニケーションが大好きで、時短の女性社員に対して「なんで来ないんだよ」と言ったり。もしこれがずっとまかり通る職場なら、キャリアを積む場所としてどうなのかと疑問に感じています。

「今の職場で自分のキャリアを積んでいけるのかどうか、不安になるんです」
「今の職場で自分のキャリアを積んでいけるのかどうか、不安になるんです」

 今の仕事自体は好きなんですけど、もっと女性が多い職場に転職したほうが可能性が開けるのかなと迷っているんです。転職するなら30歳前のほうがいいのか……と焦りもあって。現在は育休中で、すぐ復帰して現場に戻りたいと思っています。

小西 まず確認したいのは、田中さんは今「仕事自体は好き」と言っていたけれど、その気持ちは本音の部分でも同じ?

田中 はい。仕事そのものはやりがいを感じるし、好きです。

小西 仕事そのものに不満があるわけではないということですね。問題の役員のおじさまを除けば、職場は働きやすい雰囲気?

田中 そうですね。比較的働きやすいとは思います。

小西 そのおじさまは何歳くらいの方なんですか?

田中 定年目前の63歳です。

小西 なるほど。すごく目に浮かぶのは、職場を仕切っている上長のおじさんに気に入ってもらうために飲みニケーションに付き合っている男性たちだけが重用されているという構図……。

田中 まさにその通りです。

小西 でも、それってその役員のポストが交代したら変わる可能性大だよね。63歳でしょ? ……もうすぐやん(笑)。

田中 あはは、確かに(笑)。

小西 私ね、長く会社員やってきてつくづく思うのは、会社の環境を握るのは「人事」だなということなんです。

田中 「人事」ですか?