組織の中でがむしゃらに働いた経験も、プライベートの寂しさや仕事の行き詰まりに焦りを感じた経験もある、キャスター小西美穂さん。その時々のリアルな感情が読者の共感を呼び、一つ一つ壁を乗り越えてきた実践的な方法には、大きな反響がありました。そこで特別企画として、読者4人と一緒に小西さんと働く女性の多くがぶつかる悩みについて考えてみました。今回のテーマは、書籍「小西美穂の七転び八起き」の中でも、共感の声が多かった「女友達との距離」について。

本日のお悩み

「学生時代からの女友達との距離に悩んでいます」
【悩んでいる人】
神山さん(32歳・大学教員/独身)
30歳を過ぎてから、女友達との関係性の変化に戸惑うようになった。学生時代から仲が良かった友人が結婚・出産してから話がかみ合わないことが多くなり、寂しさを感じている。一方で、独身でキャリアを第一に考えるタイプの新たな友人とは交流が深まってきた。ライフステージが分岐する時期に、昔からの友人とこれからどう付き合っていくといいのか迷っている。

<ほかの参加者>
田中さん(28歳・不動産・広報/既婚・子どもあり)
仕事そのものは面白く、新設された部署での業務にやりがいも感じている。部署内のほぼすべての業務を担って成果も出しているつもりだが、上役の役員が「女より男を先に昇進」の考え方をするタイプで評価に反映されないことが不満。

広岡さん(42歳・印刷・営業/独身)
30代まで仕事に没頭し、気付けば40代。仕事以外の自分磨きの活動も始めようと、いろいろ挑戦中。仕事は自信を持って進められるけれど、プライベートではどこまで自分が相手を楽しませることができるのか、自信を持てないことも。自分を振り返るノート術をさらに生かす方法も知りたい。

清水さん(27歳・メーカー・SE/既婚・子どもなし)
やりたい仕事を求めて1年前に転職。しかし、その後に会社の体制が変わり、社内の雰囲気も暗転。新しい提案が通りにくい職場で、このままスキルアップができるのかもんもんとする日々。将来、子どもも欲しいので2度目の転職も早めに考えるべきか悩み中。


小西 皆さん、来ていただいてありがとうございます! 今日は本音で私もお答えしたいので、いつのまにか関西弁全開になるかもしれませんけど、許してくださいね(笑)。では早速、「女友達」のお悩みから始めましょうか。このお悩みを抱えていらっしゃるのは?

神山 私です。30歳を過ぎた頃から、それまでずっと仲良くしてきた学生時代の女友達と「お互いに見ている方向が違ってきちゃったな」と感じることが多くなったんです。私はまだ独身で、相手は結婚して子どももいるから興味関心に違いが出るのは、頭では分かるんです。

 でも、せっかく仲が良かった友人なのに、今一番頑張っていることをシェアできないのが寂しいなぁってモヤモヤするんです。小西さんの書籍「小西美穂の七転び八起き」で書かれていた「ぬか床の関係」にいつかなれるかなぁと思いつつ……。

仲が良かった女友達と見ている方向が変わったことを感じています
仲が良かった女友達と見ている方向が変わったことを感じています

小西 本を読んでくださった方々の感想を聞いても、この女友達の関係については、すごく共感したという声が多いんですよ。だから、きっと多くの人が感じる変化なんでしょうね。恐らく神山さんのお友達も同じように思っているんじゃないかな。あ、隣の広岡さんもずいぶん深くうなずいていらっしゃる!

広岡 分かります。どこまで話していいのか、遠慮みたいな気持ちが生まれちゃいますよね。

30代は女性の生き方の分かれ道だらけ

小西 30歳前後から女性の生き方ってすごく分かれるんですよね。「結婚する・しない」の分かれ道があって、そこから先、「働き続ける・続けない」「子どもを産む・産まない」と。そして30代半ばを過ぎて40歳近くになる頃には、独身で仕事に打ち込んできた人と、子育てに没頭してお受験を控えている人では、話題が全然違ってきちゃうんですよね。

神山 どちらがいい生き方ということもないはずなのに、つい比較をしてしまうときもあるんですよね。例えば、「女性の幸せは結婚」という価値観で早くに結婚した友人がいるんですけど、彼女と会話をしていても、ちょっとした言葉が引っ掛かってモヤモヤしたり。彼女も「今は仕事第一」の私を応援してくれていると思うんですけど、なんとなく距離を感じることが多くなりました。

小西 分かる。私も長く独身生活していたから分かりますよ。広岡さんも、そういうとき、あるんじゃない?

広岡 ありますね。短大時代に仲が良かったグループの子たちは全員結婚していて、呼ばれたホームパーティーの場でお説教をされたり。

小西 お説教? どんなことを言われたの?