広岡 「どういう人がいいの?」と聞かれたり、「この年になっちゃったら、もう訳アリの相手を選ぶか不倫しかないよね」とか言われたり。

小西 それは、きつかったね。

広岡 私は仕事は楽しくやってこれたので、最近は同じように仕事を楽しんでいる独身の友達と遊ぶことが多くなってきました。

神山 そうそう。交友関係が変化していきますよね。昔はそれほど仲が良くなかった子と意気投合して急に距離が縮まったり。

小西 それにしても、そのホームパーティーでのお説教、広岡さん、怒りは込み上げてこなかった?

広岡 ちょっと込み上げてきましたけど、しょうがないかなって。ただ、だんだんそういう場に行かなくなりましたね。

小西 偉いわぁ、広岡さん。私もね、同じようなこと、ありましたよ。私が言われたのはね、「子どもを産まなきゃダメよ」と。同級生が集まる会でね、その時独身で子どもがいなかったのは私だけ。私は内心グサリと来たんだけど、「子どもはいいよね~」「産むべきだよね~」っていう話題が結構続いたんですよ。

 私は黙って聞いていたけど、家に帰った後ももんもんとして眠れなくなってきて。思わずメールしちゃったもん。「価値観は人それぞれ。私は仕事を頑張っていて、今の生き方を誇りに思っている」みたいなこと。以来、ちょっと距離感ができた。

 あの頃はお互いに坂道を上っていて余裕がなかったんだと思う。私は私で仕事で成果を出すために必死だったし、彼女たちも子育てで必死だった。今は少し落ち着けるゆとりもできて、お互いの生き方の違いを超えて笑って話せる時を迎えられています。

 だからね、神山さん。今32歳でしょう? 友達とのギャップを感じる経験、きっとこれからまだまだありますよ(笑)。

「女友達との関係の変化、まだまだこれから続きますよ~(笑)」(小西さん)
「女友達との関係の変化、まだまだこれから続きますよ~(笑)」(小西さん)

「どんな立場でも価値観の押し付けはダメ」

小西 田中さんと清水さんは既婚で、田中さんはお子さんもいらっしゃるんですよね。

田中 はい。でも、子どもがいる人の中でも価値観は分かれますね。私の場合は子どもを産んでもバリバリ仕事を続けたいタイプで子どもも0歳から保育園に預けるつもりなんですけど、1カ月違いで産んだ友人は仕事を辞めたんですよね。「子どもは3歳まで母親が育てないとかわいそうじゃない?」と言われると、「そうなんだ」としか返せませんでした。

清水 私は結婚をしたばかりで、「子どもはこれから!」と思っています。ただ、小西さんや皆さんのお話を聞いて、なにを選択するかは人それぞれなんだなぁと思いました。今ある女友達との関係にも、価値観の違いによる変化がこれから訪れるのかもしれないですね。

小西 そう。それに、生き方に正解はないんですよね。だけど、やっぱり自分の価値観を押し付けたらダメなんだなぁと思います。私も昔の私に、反省を込めて「仕事こそ人生、という価値観を相手に押し付けたらダメ」と言いたい。一方で、言われてモヤッとするということはどこかで自分も気にしていることかもしれないし、相手もよかれと思って助言していることが多いんですよね。「友達が後悔しないために」という気持ちだけで。だから、今は違和感があったとしても、いつかはその意味が染みてくることもあるかもしれない。

編集部 もしこれから、価値観が異なる友達から言われた言葉に傷ついたり落ち込んだりしたとき、小西さんがオススメする対処法はありますか?

神山 私も知りたいです!

田中 私は、「子どもを預けるなんてかわいそう」と言われた時、結局「そうかもしれないね」くらいしか返せませんでした。言い合っても仕方ないなと思ったんですよね。気持ちはスッキリしないですけど……。

小西 そうですね。真夜中にメールを打つのはあまりおすすめしないです(笑)。今の私なら、思いの丈をノートに書きまくって発散するかな。「発散ノート」と「改善ノート」、二種類のノートを使うんです。(このノート術については著書「小西美穂の七転び八起き」で詳しく解説)

「とにかくノートに思いの丈を書きまくりましたね」と当時のノートを見せてくれた小西さん
「とにかくノートに思いの丈を書きまくりましたね」と当時のノートを見せてくれた小西さん

 あとは、「人のふり見てわがふり直せ」じゃないけれど、「私も誰かを傷つける言い方していないかな?」と反省するきっかけにすると、その後の人間関係に生かされるし、成長にもつながるかなって思います。