やる気があるグループとないグループ、どうまとめるか
多少そういう雰囲気になっていたかもしれませんね。それをどう解決したかというと、キャプテンだった私だけの力ではどうしようもなくて、仲間に頼りました。
いませんか? グループ同士の間をうまく取り持つような潤滑油的役割を自然と担ってくれるような人。受容力があって聞き上手で、伝達役になってくれる。
そういう子がやはり当時のチームにもいて、私はずいぶん助けられたんですよね。その子は自分を前に出すタイプではないから、選手としても控えめで、レギュラーとしては活躍していなかったりする。でも、チームをまとめて勝利に導くには欠かせない主要メンバーだったんです。
だから、私はその貢献をできるだけ言葉にして、「あなたのおかげでチームがまとまっている。本当に助かっている。ありがとう」と本人に感謝を伝えていました。チームへの貢献の仕方は人それぞれで、その違いをリーダーが認めて、評価するアクションは大事ですよね。
それに卒業してン十年となった今でも、彼女はやっぱり潤滑油的役割を果たしてくれていて、当時のメンバーがずっと交流を楽しめるのも彼女のおかげ。ものすごく大きな魅力だし、皆にとっても財産になっているんですよね。選手としては目立たなかったかもしれないけれど、長い目で見たときにはすごく存在感が光っているなと感じます。
会社にもいますよね。誰もが評価するようなスマッシュヒットを打ったことはないけれど、皆から頼りにされて、同じフロアにいるだけで周りに安心感を与えてくれるような人。
決して数値化はできない貢献だけれど、組織にはなくてはならない存在だと思います。
――あらためて、ラクロスで培った経験が、職業人としての小西さんに与えた価値とは何でしょうか?
何もないところから新しい流れをつくる面白さを知れたこと。自分の頭で考えて、できる努力をすべてした結果、だんだんと賛同者が増えて、いつのまにかたくさんの人が楽しんでくれている姿を見られたこと。
この経験があったから、私はゼロから始めることに対して何も怖くないんです。初めての記者としての仕事。女性として社内で初めてだった海外特派員。30代半ばでの転職と上京。キャスター職への挑戦。すべて、ゼロからの挑戦でしたが、前向きにがむしゃらに道をつくることを楽しめる自分がいました。
若いほうが怖いもの知らずになれるのは事実だと思います。でも、いくつになっても挑戦はできるし、日経ウーマンオンライン読者の皆さんはまだまだ若い! 今日とは違う明日が来る喜びを忘れずに、チャレンジを楽しんでいただきたいですね。
母校の女子ラクロス部は今年で30周年を迎え、この5月には記念式典も開催されました。あの頃の私を後輩たちの姿に重ねて感無量。パイオニアの一人としてこれからもずっと日本のラクロスを応援していきたいと思います。
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聞き手・文/宮本恵理子 写真/稲垣純也
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