発散した後の次のステップが大事。悔しさや怒りの感情が生まれた理由を書き出していくんです。「どうしてこうなってしまったのか?」という原因分析を自分なりにして、書いていきます。そして、「どうしたらよかったのか」「次はこうしていく」という改善ポイントまで書くのです。

 気持ちに余裕がなくてそこまでできないときは、発散止まりで寝ちゃってもよし。翌朝起きて気分が少し落ち着いたところで、通勤中の電車の中で書き出してもいいと思います。

 このとき、「発散ノート」とは別に「改善ノート」を用意するのがコツです。「改善ノート」は何度でも見直したいものですが、目を覆いたくなる愚痴が交ざっていると、見返す気が失せるので(笑)、気に入った色やデザインを選ぶといいと思います。

 自分で気付いた改善点の他、人から指摘してもらったアドバイスもここに。日付と話者も添え、できるだけ具体的に、言われた通りの言葉を書き留めておきます。

 そして、時々見返して、「あ、ここはまだ全然できてないわ」と思った箇所には色ペンでラインを引いて強調。そうやって、自分だけの参考書を作っていくんです。

――人からもらったアドバイスも全部書き留めていくんですね。

 はい。すごく大事なことだと思って、「改善ノート」を書く習慣は今でもずっと続けています

 これは著書にも書いたことなのですが、いくら親切な方でも同じことを2度、3度と教えてくれることはありません。1度目は「こうしたほうがいいよ」と教えてくださって、2度目は「前にも言ったけれど、このほうがいいよ」と言ってくださるかもしれない。でも、3度目はありません。アドバイスは一度きりだと思って、いただいたらすぐに書き留めておく。

「アドバイスしてくれる貴重なタイミングは一度きり。今でも改善ノートは書いてます」
「アドバイスしてくれる貴重なタイミングは一度きり。今でも改善ノートは書いてます」

改善ノートに実際に書いている内容は…

――実際にはどのように書いていくんですか?

 いくつか例をお見せしましょうか。