切り替えられないときは「失敗は成功の母」という言葉を思い出して

 以前、日経新聞の朝刊を読んでいて、目に止まった記事がありました。それは、2016年12月25日付で掲載された「『失敗』実験ヒットの種」というもの。記事によると、スリーエムの付箋「ポスト・イット」は強力な接着剤の開発中に偶然誕生したもので、よく付くけれど、すぐに剥がれる接着剤ができたことで着想を得た商品だそうです。

 また、大塚製薬の「ポカリスエット」は、汗の成分を補う飲み物を開発している際の失敗がきっかけで生み出された商品だとか。まさに「失敗は成功の母」ですね。

 ミスは成長の糧になると分かっていても、落ち込んだ気持ちを切り替えるのは難しいもの。そんなときは「ポスト・イット」や「ポカリスエット」の誕生秘話を思い出してください。失敗をバネにして、「次こそは」とリベンジする気持ちを固める助けとなるかもしれません。

ミスして落ち込んだときの対処法のポイント

◆引きずるより、振り返って改善策を考えることが大切
◆改善案をまとめて上司に提出
◆しばらくは反省を態度で示す
◆落ち込む相手には普段通り接する
◆「失敗は成功の母」を肝に銘じて

やる子 「おお、ありがとうございます! 早速、ひよ子ちゃんに伝えてきますね」

 そう言って、バタバタバタ! と走り去っていったやる子。そして20分ほど経った頃、再び床を踏み鳴らしながらふに落ちない表情で戻ってきます。

すずまり姉さん 「どしたの、その顔? ひよ子ちゃんには効果がなかったのかしら?」

やる子 「いや、効果がないというか……。すずまり姉さんのまねをして、『PDCAはプラン、ドゥ、チェック、ハクションって意味だよ』って伝えたら、ものすごく冷ややかな目で見られました」

すずまり姉さん 「あらま」

やる子 「しかも、『やる子先輩を見ていたら、悩んでいるのがバカらしくなりました』ですって。何か、こっちが落ち込みたい気分ですよ……」

すずまり姉さん 「言い方がイマイチだったのね、きっと。精進あるのみよ、頑張りなはれ」

やる子 「そんなことで精進なんて、したくないですっ!」

 ダジャレ、もといウイットに富んだシャレのはずが、どうも滑ってしまったらしいやる子。彼女のことをどう励ませばいいのかは、神のみぞ知るといったところでしょうか……。そんなやる子に同情しつつ、次回も乞うご期待!

文/石川由紀子 イラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA