「ヒヤリ・ハット」は成長の糧となる宝の山!

 以前、請求書を送る際に「何か変だな」と頭の中で警鐘が鳴ったことがありました。結局、ポストまで行ったものの投函せずに戻り、再度確認したところ、消費税率を8%ではなく、5%で計算していたのです。その取引先と前回、仕事をしたのは消費税5%の時代。当時の請求書データを使い回しながら、税率にまで思いが及ばなかったがために起きた「ヒヤリ・ハット」でした。

 このように第六感が働けばよいのですが、なかなかそうはいきません。だからこそ、記録したり共有したりして、気付く環境をつくっておく必要があるのです。「ヒヤリ・ハット」は宝の山。上手に活かすことで、あなたをもっと成長させられることでしょう。

「ヒヤリ・ハット」を活かすポイント

◆「ヒヤリ・ハット」を防げば、重大なミスも減らせる
◆「自分用マニュアル」や「振り返りノート」に記録
◆チェック項目に追加する
◆データを使い回す場合は、変更箇所を目立たせる
◆メンバーと共有する

やる子 「あ~、確かに記録は大事ですね! 『ヒヤリ・ハット』を起こしたときは肝に銘じるけれど、そのうち忘れちゃうだろうし」

すずまり姉さん 「そうそう。暑い日が続くからヒヤリとするのもいいけれど、そこで終わらせるのはダメ。『ヒヤリ・ハット』は重大ミスも起こさずに、成長の糧となってくれるものだから、しっかり次に活かさないと。ね?」

やる子 「分かりました! 早速、今朝の『ヒヤリ・ハット』も、『自分用マニュアル』に書いておきます。あ、あと、『独り言は小声で』ってのも書かなくちゃ」

すずまり姉さん 「……そんなこと、どこに書くんだっつーの」

 第六感など持ち併せていないやる子にとって、「ヒヤリ・ハット」を成長の糧とするには記録が必須。これまでの経験も書き込んで、「自分用マニュアル」はますます進化しているようです。さあ、次回は何を学び、成長していくのでしょうか? 乞うご期待!

文/石川由紀子 イラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA