思い違いや失念をなくすには、記録することが大切。そのための手段として前回、メモの取り方をお伝えしましたが、今回はノートの書き方です。キーワードとなるのは、「忘れるために書く」と「書くべき5つのシーン」。忘れるために、なんて聞くと矛盾している気もしますが、果たしてその真意とは?
記録するのは忘れるため。それってどういうこと?
取引先で朝から3件の打ち合わせをこなし、オフィスへと戻ったやる子。今日も仕事に燃えながら、早速、メモを見返して取り決めた内容を確認します。
やる子 「どれも新規プロジェクトだから、頑張らなくちゃね~。忘れないようにメモを取ったし、今日は完璧!」
そう言いながらデスクに切り離したメモを並べ、それぞれの内容を覚えようとしますが……。
やる子 「さすがに、3つの案件を暗記するのはムリか……。すずまり姉さんはどうやって覚えてるんだろ?」
一人つぶやいたそのとき、頼みの綱のすずまり姉さんが登場! カツカツカツ! とヒールの音を響かせながら、やる子のデスクへとやって来ます。
すずまり姉さん 「はいは~い、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン!」
やる子 「うわ、古っ! しかも地獄耳!! ……って、すみません、つい口走っちゃった……。いやあの、覚えなくちゃいけないことが多いんですけど、どうにも頭に入り切らなくて」
すずまり姉さん 「あら、そんなの覚えなくっていいのに」
やる子 「えっ! でも、この前は記憶違いをなくすためにメモを取るって言ってましたよね?」
すずまり姉さん 「そうよ。つまり、メモやスケジュールなんかは忘れるために書くものってこと。……というか、あ~た、取引先の打ち合わせでもメモ帳を使っているの?」
やる子 「あれ、ダメですか? あと、忘れるために書くってのも、意味が分からないっす……。教えて、すずまり姉さん!」